『ハコヅメ』は朝ドラファン必見! 戸田恵梨香×永野芽郁の新たな代表作になる予感

 原作は『モーニング』で連載中の『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』。作者の泰三子は、某県警に10年間勤務し、公務員の安定を捨て専業漫画家に転身。警察官の経験が反映されたリアルな描写がこの『ハコヅメ』の最大のポイントである。真面目に仕事(取り締まり)をしていただけで忌み嫌われ、流行りのメイクはなし。装備品でできた一生消えない痣、不眠不休の24時間勤務、休日もプライベートはゼロ。原作でもネタになっている、交番で子供に道案内をする平和な光景とは程遠い女性警察官の生々しい現実がこの作品の肝だ。

 永野が演じる川合は黒髪のおかっぱ姿が驚くほど原作と瓜二つ、戸田に至っては金髪にするのは叶わなかったようだが、トレードマークである職務中のポニーテールが見事に藤を再現している。

 脚本を手掛けるのは『監察医 朝顔』シリーズ(フジテレビ系)、今期放送の『サ道』シリーズ(テレビ東京系)も担当する根本ノンジ。そのジャンルを問わない仕事の幅の広さと丁寧なシナリオ作りには驚かされるばかりである。今回放送の第1話は原作の1巻から3巻のエピソードを少しずつ掻い摘みながら構成し直したものだ。そして、泰がコメントでも自虐的に認めているように「泥臭い原作」が、根本のフィルターを通して地上波のコンプライアンスに合わせたマイルドな仕上がりとなっている。『モーニング』に掲載された泰との鼎談にて、戸田が藤の本来のイメージを「顔はAV女優、中身はゴリラ」とあえて確認していた、と言えばそれとなく想像してもらえるだろうか。

 冒頭で触れたように、TBSドラマ初主演を務める『プロミス・シンデレラ』(TBS系)の二階堂ふみ、『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)には月9ドラマ初出演にして初主演の波瑠、同じくフジテレビの連ドラ初主演となる『推しの王子様』(フジテレビ系)の比嘉愛未と歴代朝ドラヒロインが勢揃い。特に『ハコヅメ』は朝ドラファン必見のドラマと言えるだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』
日本テレビ系にて、7月7日(水)スタート 毎週水曜22:00〜23:00放送
出演:戸田恵梨香、永野芽郁、ムロツヨシ、三浦翔平、山田裕貴、西野七瀬、平山祐介、千原せいじ
原作:泰三子『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』(講談社『モーニング』連載中)
脚本:根本ノンジ
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:藤森真実、田上リサ(AX-ON)
協力プロデューサー:大平太
演出:菅原伸太郎、南雲聖一、伊藤彰記
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/hakozume/
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