『ドラゴン桜』“見事”の一言に尽きる結末に 新垣結衣、山下智久らオールスターが集結

 第1話で感じた前作からの路線変更への違和感は、最終的に日曜劇場ならではの舞台設定とドラマ的な演出として実を結んだ。同枠に顕著な集合シーンは職員室での歓喜となり、会議室での対決で、テーブルを挟んで江口のりこや及川光博、木場勝己、山崎銀之丞、市川右團次、入江甚儀らが対峙する。最後は、どんでん返しの末にスカッとするような結末となった。

 とはいえ紋切り型の勧善懲悪ではなく、復讐を承認することも決してない。復讐心に駆られた元教え子の米山(佐野勇斗)に、桜木の言葉を借りて「復讐なんてのは、結局誰も幸せにはなれねえ」と言わせる。そうやって日曜劇場の過去作さえも乗り越えたが、それだけではない。作品中のメッセージも各話ごとに進化した。第1話の「社会に搾取されるな」という2000年代的な価値観には異なるニュアンスが加わった。その中で一貫して訴えたのは「自分の人生を生きる」こと。成長する『ドラゴン桜』の本質は自らを超えていくところにある。

※高橋海人の「高」は「ハシゴダカ」が正式表記。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
日曜劇場『ドラゴン桜』
TBS系にて、毎週日曜21:00~放送
出演:阿部寛、長澤まさみ、高橋海人(King & Prince)、南沙良、平手友梨奈、加藤清史郎、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太、西山潤、西垣匠、吉田美月喜、内村遥、山田キヌヲ、ケン(水玉れっぷう隊)、鶴ヶ崎好昭、駿河太郎、馬渕英里何、大幡しえり、深田竜生(少年忍者/ジャニーズJr.)、林遣都、佐野勇斗、早霧せいな、山崎銀之丞、木場勝己、江口のりこ、及川光博ほか
原作:三田紀房『ドラゴン桜2』(講談社刊)
プロデュース:飯田和孝、黎景怡
脚本:オークラ、李正美
演出:福澤克雄ほか
製作著作:TBS
(c)TBS

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