藤枝喜輝、連ドラ初出演を経た俳優としての目標 『あのキス』の撮影を振り返る

 テレビ朝日系にて毎週金曜23時15分(一部地域除く)から放送中の金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』が6月18日に最終回を迎える。松坂桃李史上・最ポンコツキャラが奔走する“入れ替わり”ラブコメディーとなる本作。『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)、『恋する母たち』(TBS系)など数々の恋愛ドラマを世に送り出してきた脚本家・大石静が完全オリジナル作として手がけた。

 そんな本作に、『週刊少年マキシマム』の編集部員で、高見沢(三浦翔平)の部下・木之崎眞役で出演しているのが、恋愛リアリティショー『オオカミくんには騙されない』(ABEMA)や、ドラマ『17.3 about a sex』(ABEMA)で注目を集め、公開中の映画『キャラクター』にも出演している藤枝喜輝だ。今回、リアルサウンド映画部では、藤枝にインタビューを行い、事務所の先輩である松坂桃李や菅田将暉の背中を見て感じたことや、俳優としての目標などを語ってもらった。(編集部)【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

共演して感じた松坂桃李、菅田将暉の背中

ーー先日クランクアップを迎えたそうですが、連ドラ1クールをしっかり撮り終えた気分はどうですか?

藤枝喜輝(以下、藤枝):やり切った感じがありますね。初めて連続ドラマにレギュラー出演させてもらったので、個人的にプレッシャーなどを感じていましたが、ひとまず区切りを得て、長いようであっという間だったなと思います。お芝居のことだけでなく、現場での佇まい、作品との向き合い方などいろんなことを経験させていただきました。クランクアップして少し肩の力が抜けた感じです。「ああ、終わっちゃったなあ」って。もう少し木之崎眞を演じていたかったという気持ちもあります。この作品が終わっちゃうのがすごく寂しいなって思いました。

――これまで『オオカミくんには騙されない』や、『17.3 about a sex』にも出演されていましたが、そのときから自分の中で何か変化はありましたか?

藤枝:リアリティショーは藤枝喜輝として出演していたので、ドラマとは違い役作りが全く必要ありませんでした。自我をなくすか、なくさないか。せっかく「オオカミくん」という役割をいただいたので、そこは「オオカミ」となった以上、役割を全うするのが皆への誠意だなと思っていました。しかし、やはり回を重ねるごとに皆を騙している罪悪感みたいなものがどんどん出てきてしまって……。気持ちをフラットに保つのが結構難しかったですね。『17.3』の撮影のときは現場にいるだけで精一杯というか、緊張しすぎていて……とにかく周りに迷惑をかけないようにいようということしか考えていませんでした。自分のことで精一杯になっていて、お芝居に全力で集中しきれなかったという、経験不足をはっきり実感しました。それまでも事務所でいろいろな演技のワークショップを受けたり、先輩方の現場見学に行かせていただいたりしていたのですが、あのキスの現場で周りを見ながら行動することを心がけていたら、だんだん余裕も出来た気がします。

ーー大切な気づきですね。

藤枝:自分の出ている場面以外の日に、現場見学に行かせていただいたからこそですね。その経験がなければ、今もたぶん、どんなふうにお芝居をすればいいんだろうとか、そんなことばかり考えて、周りも見れずにいたはずです。

ーー周りを見るって、基本的なことに思えて意外と難しいことですよね。

藤枝:特に現場に行って役を演じなければいけないので、なるべくカメラが回っていないところでも感情がぶれずにいたい、という気持ちがあります。ただ、それと少し切り離してどう周りを見るかという点で、今も苦戦しています。でも現場見学に行かせていただいた際、松坂(桃李)さんや菅田(将暉)さんの様子を見ていると、その点で学ぶことが多かったので、僕も一歩でもそこに近づけるように今も努力しています。

――松坂さんとは『あのときキスしておけば』で、菅田さんとは『キャラクター』で共演されましたが、周りを見ること以外に何か学びはありましたか?

藤枝:共通して言えるのが、作品に向き合う姿勢がプロ意識の塊というか……お二人とも、本当に素晴らしい役者さんだと思っています。例えば、お芝居をするときに監督に「こういうことをして」って言われればもちろん応じますが、実際は個々にプランを持っているんです。「ここはこういうシーンなので、立ちでいきましょう」とか。監督も「その発想があったね」って、それに応えてくれる。そういった“新しいアイデアを自身で発信していく”という力は今の僕にはないので、学ぶことだらけでした。監督とディスカッションをしながら、高めていくというか。その姿勢はすごく勉強になりました。

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