“お父さん”といえば誰? 佐野史郎、平田満、酒向芳ら、父親役で主人公を見守る常連俳優陣

 離婚活動“リコカツ”がテーマのドラマ『リコカツ』(TBS系)で、北川景子演じる主人公・咲の父親役が、体調不良により降板した佐野史郎から平田満にバトンタッチ。役者が交代した第4話では、キャスト交代が劇中ネタになったことも話題になったが、ネット上では佐野と平田、どちらに対しても好評の声が多く挙がっている。

 主人公の父親という役柄は、主人公と家族との関係性を表したり、主人公を支えたり、展開によっては物語の重要なカギとなることも多い。本記事では、4月クールのドラマの配役を中心に、主人公の父親役を演じる常連俳優たちを紹介したい。

飄々としていて憎めない水口武史といえば……(佐野史郎)

 佐野は、アッケラカンとしていてどこか憎めない武史を演じていた。ドラマ公式サイトの相関図には水口武史について“根っからの浮気性だが悪気はない”と書かれている。武史を演じていた佐野は、第2話で城木里奈(中田クルミ)とのボウリングデートの現場を妻・美土里(三石琴乃)に抑えられた時、「浮気の証拠を抑えられちゃった」と笑顔を見せ、その軽々しい態度は、美土里が離婚を決意する決定打になってしまうが、佐野の飄々とした口ぶりや行動からは悪気のなさが感じられる。美土里の前であっても他の女性の前であっても態度がニュートラルなように見えるのだ。

肩の力の抜けた“チャラおじ”の水口武史といえば……(平田満)

 第4話で佐野からバトンタッチした平田。第4話では美土里からキッパリと離婚を切り出され、泣き崩れる武史の姿が描かれた。SNS上では、佐野から平田へのバトンタッチに対して肯定的な声が挙がる一方、その姿には「イメージが違う」という声も挙がっていた。しかし美土里に花束を手渡す自信たっぷりの姿から一転、「なんてことだ……」と弱々しく泣く姿はやはり、浮気性でチャラいのに可愛げがあって憎めない武史そのものだ。物語の展開上、離婚を決意した美土里の固い意志に気づいた「後の」武史として捉えてみると、佐野演じる武史よりも肩の力が抜けた印象がある“チャラおじ”であっても、それほど違和感はない。むしろ美土里からのツッコミにタジタジしたり、美土里と立川誠実(中山麻聖)の関係に「あいつとは認めんぞ」と声をあげたりする姿から、美土里を想い続ける変わらぬ心が感じられる。

頑固な価値観の持ち主でインパクト抜群な緒原正(酒向芳)

 舞台を中心に、映画やドラマなどで活躍してきた酒向芳が演じているのは、“妻は夫に従うべしという頑固な価値観を持つ”緒原紘一(永山瑛太)の父・正。酒向は2018年に公開された映画『検察側の罪人』で殺人事件の被疑者に扮し、その怪演が脚光を浴びた。また大河ドラマ『龍馬伝』(NHK総合)や『軍師官兵衛』(NHK総合)、現在放送中の『青天を衝け』(NHK総合)や朝の連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)など、数多くの話題作で個性的かつ強烈な演技で注目を集めている。そんな酒向が演じる正は、規律を重んじ、威圧感を与える鋭い目つきや声色が印象的だ。しかし妻・薫(宮崎美子)が家を出て行った時には動揺し、第7話では一ノ瀬純(田辺桃子)が紘一の上官だと知るとあからさまに態度を変えたりと、おかしさもある。SNS上では、これまでやってきた役柄とは異なり、人間味のある堅物な父親を演じる酒向に好感を抱く声も挙がっていた。

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