『おかえりモネ』清原果耶の輝きに驚くばかり 第4週は全ての物語が緻密に繋がる構成に

 『おかえりモネ』(NHK総合)第4週「みーちゃんとカキ」は、気仙沼に広がる青い空と海にも負けない、百音(清原果耶)の清々しい表情で幕を閉じる。

 「全部繋がってる」ーー幼少期にサヤカ(夏木マリ)の山で龍己(藤竜也)に伝えられていた「山は海と繋がってるんだ」という言葉や朝岡(西島秀俊)から教えられていた「永浦さんは海で育って海のことを知っている人ですし、山のことも知ろうとしている。なら空のことも知るべきです」。百音は登米から気仙沼に帰ってくることで、その言葉の真意を知る。山で育った葉が川を伝って海に流れ、カキの栄養に。さらにフェリーの船上から見えた杉で作られた養殖筏もそのことを実感する一つの例だ。登米からの往路で見せた浮かない表情の百音はそこにはいない。

 そのやる気に満ちた表情の正体は、百音も誰かの役に立てるかもしれないという希望を見つけたからだ。天気のことを勉強したら龍己の養殖業や未知(蒔田彩珠)の研究に役に立つかもしれない。そんな百音の心に射した一筋の光を龍己はあえて現実的な数字を例に出しながら「将来、モネちゃんが天気読めるようになって、俺が一発勝負かける時はあんたに相談する」と力強く後押しする。徐々に瞳に希望が宿っていく百音。

 この第20話では3年前、未知から「お姉ちゃん、津波見てないもんね」と告げられる、百音の先のことが分かれば人助けができるかもしれないという思いの根源とも言える回想シーンが展開される。いままで物語上でもオブラートに包まれていた「津波」という直接的な言葉、さらに実の妹に突きつけられるそこにいなかったという現実。百音の瞳からはポロポロと涙が溢れ出てくる。第20話に限らず、これは第4週全体で言えるが、清原果耶はどれだけ表情のバリエーションを持ち合わせているのか。涙腺も自由自在にコントロールできるのではないかと、まだ始まって4週目ではあるが彼女の俳優としてのポテンシャルに日々驚かされるばかりである。

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