橋本環奈、『ネメシス』の“狂気の演技”で新たな扉? 広瀬すずとの対峙で見せた自身の強み

 橋本といえば“千年に一人の美少女”として全国にその名を轟かせ、アイドルグループを卒業し本格的に女優業を進み始めてからは、正統派のヒロインを演じていたが、その後アイドル時代に培ったキャラを逆に利用して、それを増長したり崩していく面白さで成長を見せ、最近はコミカルな役を演じることが多い。ヒロイン以上にコメディリリーフが板についている橋本だけに、今回『ネメシス』で見せた二面性や、悪役の演技がハマるのも当然の結果だと言える。

 据わりきった目でこちらに迫ったかと思えば、目を見開いて罵倒し、イラついた素ぶりを見せたかと思えば、丁寧に落ち着いて話し、そして倒れたアンナを足蹴にする。第9話の予告では、レクター博士のような迫力も感じさせている。


 橋本と広瀬の豪華共演も話題を呼んだ本作。2人の演技の違いは、広瀬は役を自分の感覚で昇華し、橋本はキャラクターになりきれる、そうした細かい違いがあるように感じる。同い年で、ある意味女優としてライバル関係の2人の直接対決が注目を集めたが、俳優としてキャリアのある広瀬に対抗できるのは、確かに橋本の狂気の演技だろう。第8話は広瀬が一方的に橋本に言いくるめられる展開だっただけに、スイッチが入った時の広瀬の演技がどれだけ橋本を圧倒してくるのか。当初はただの共演かと思われたが、本格的な対立構造になったことはドラマ好きとして熱い展開だ。

 今回本性を現す前から伏線があり、何度かアンナが持っていた父親からもらったネックレスを気にしていたことで、データを入手しようとして近づいたこと。また、特殊な頭脳を持っていることや、お互いゲテモノの料理が口に合うことなど共通点はいくつかあり、今回分かったことは、アンナに対しての怒りが、パーフェクトな体と頭脳を与えらたのに何が不満なのかを問い詰めたこと、またその際に手の震えを抑えるシーンが強調されていたことから、朋美はゲノム編集ベイビーの失敗作なのかもしれない。朋美の本当の目的は、母親の遺志を継いでゲノム編集を追求したいのか、運命に対する復讐か、アンナとともに全てのデータを消し去るためか、自分を完璧な人間に変えるためなのか。2話を残しているだけに、本当の黒幕が他にいてもおかしくないだろう。まだまだどんでん返しはありそうだ。

■放送情報
日曜ドラマ 『ネメシス』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:広瀬すず、櫻井翔、勝地涼、中村蒼、富田望生、三島あよな、山﨑紘菜、橋本環奈、
大島優子、上田竜也、石黒賢、真木よう子、仲村トオル、江口洋介
総監督:入江悠(1・2・3・6・8・9・10話担当)
監督:片桐健滋(4・5話担当)、岸塚祐季(7話担当)
脚本:片岡翔、入江悠
脚本協力: 講談社タイガ、今村昌弘(1・3話担当)、藤石波矢(2・6話担当)、周木律(4話担当)、降田天(5話担当)、青崎有吾(7話担当)
企画・プロデューサー: 北島直明
プロデューサー:里吉優也、次屋尚、田端綾子
制作会社:クレデウス
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:www.ntv.co.jp/nemesis
公式Twitter:@nemesis_ntv
公式Instagram:@nemesis_ntv

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