また、格闘家として再登場したマァムのビジュアルが「とにかく素敵だ」と加藤氏は続ける。

「初期衣装よりも格闘家になってからの方が断然格好いいですよね。ゲーム『ストリートファイター』の春麗とも共通する女性格闘家の可愛さと格好良さで。これは原作の三条陸さんに聞かなければ分からないことですが、マァムは初登場時から腕力の強さを見せる描写があったんですよね。格闘家になってからの活躍が素晴らしいので、最初から完成形としてあの衣装が構想にあったのかもしれません。マァムは自分に何ができるかを考えパーティーを離脱、武道家として成長して戻ってきます。その間にマァムに代わる女性キャラとしてポップに惹かれるメルルが登場したり、ダイとポップにない特殊技能をマァムが身につけていたり、すべてが見事に合致しているところにも、本作の作劇の上手さを感じますね」

　そして、『ダイの大冒険』の登場人物の中でも、マァムが“最強”なのではないかと加藤氏は語る。

「マァムが武道家として身につけた技『閃華裂光拳』は劇中の中でも屈指の必殺技です。設定上は生物なら倒せるという技で（笑）。ある種、ダイやポップが身につける必殺技よりもすごい性能なんです。でも、終盤にかけてマァムの相手が“生物”でなかったり、マァムが戦えない状態になったり、あの手この手で出番を調整して、チームのパワーバランスが崩れないように工夫されています。各キャラクターが持っている必殺技には、長所もあれば短所があり、マァムをはじめ全員に輝く場所があるんです。パワーバランスが崩壊せずに、最後までどの登場人物も必然性を持って存在しているのが、『ダイの大冒険』の魅力だと思います」

　マァムの必殺技「閃華裂光拳」は果たしてアニメでどのように表現されるのか。格闘家して輝きを増したマァムの虜になる視聴者が今週以降増えていきそうだ。

■放送情報
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』
テレビ東京系にて、毎週土曜9:30〜放送中
原作：『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』原作：三条陸／漫画：稲田浩司／監修：堀井雄二（集英社『週刊少年ジャンプ』）
シリーズディレクター：唐澤和也
シリーズ構成：千葉克彦
声の出演：種崎敦美（※「崎」は「たつさき」が正式表記）、豊永利行、小松未可子、早見沙織、櫻井孝宏、梶裕貴
キャラクターデザイン：宮本絵美子
美術：藤井綾香（スタジオパブロ）
音楽：林ゆうき
色彩設計：森綾
アニメーション制作：東映アニメーション
(c)三条陸、稲田浩司／集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 (c)SQUARE ENIX CO., LTD.
公式サイト：https://dq-dai.com/
公式Twitter：@DQ_DAI_anime