森崎ウィン演じる蒲生を襲った悲劇 『桜の塔』セミファイナルも波乱の展開に

 『桜の塔』(テレビ朝日系)第8話は、最終回前のセミファイナル。漣(玉木宏)と千堂(椎名桔平)の最終決戦に向けた争いが一層の盛り上がりを見せていく。

 第8話であえなく犠牲になってしまうのは刈谷(橋本じゅん)と蒲生(森崎ウィン)。刈谷は警察官時代、金に目がくらみ漣の父・勇仁(岡部たかし)が殺される事件に加担していたことが明らかになる。さらに、吉永(光石研)からの裏金で千堂を刺し、その腹いせに何者かに射殺されてしまう。裏で糸を引いているのは千堂に間違いないが、撃ったのは誰か。その容疑が千堂の手によって蒲生へとかけられてしまうのだった。

 蒲生は第1話で改造銃を使用した銀行強盗事件を起こし逮捕された人物。出所後は、爽(広末涼子)の実家である中華料理店「龍鉄」でアルバイトとして働いていた。爽の父・鉄朗(小松和重)からも信頼され、一人前に育っていた矢先の嫌疑。蒲生にとって爽は自分を更生に導いてくれた恩人であり、爽にとっても社会復帰への過程を見てきた信頼している一人だった。けれど、その関係性が上層部の指示によって一気に覆されてしまっていく。

 蒲生が逃げ込んだのは隠れ家としている廃校。そこには昔に隠し持っていた改造銃もありはしたが再び手にすることはなかった。蒲生は正真正銘の更生を果たせたのだ。屋上で爽が必死に説得をし、蒲生は理解を示す。だが、その時、グラウンドから富樫(岡田健史)が見つけるのが、遠くで銃を構えるSATの姿。後ずさる蒲生は狙撃をかわそうとして足を踏み外し、そのままアスファルトの地面に落下。意識不明の重体となる。爽は一人残された屋上で悲痛な表情を浮かべ、目の前で落下を目の当たりにした富樫はショックのあまりに膝から崩れ落ちてしまう。

 「助けられなかった」という思いは同じだが、富樫の場合、改造銃の証拠の捏造を千堂から指示されていた。結果、自身の正義感からその改造銃は千堂に返却したが、富樫は黙っていたことを同罪だと自分を責め続けていた。もっと早くこのことを公にしていれば蒲生を救えた。そのことが大きな後悔と罪悪感として富樫に襲いかかる。かつての自信を取り戻せるのかが、最終回での富樫の見どころとなるのではないだろうか。

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