『女神降臨』など韓国ドラマも漫画原作が多め? ウェブトゥーンの映像化作品に注目
2度楽しめる『Sweet Home -俺と世界の絶望-』
2020年12月にNetflixで配信され、1話の製作費に約30億ウォンかけていることで期待度と注目度が高かった作品。ウェブトゥーンは、英語、中国語、フランス語、スペイン語などの9カ国言語で展開され、世界累計観覧数が12億回に上り、世界中の人にも多くの関心を寄せられている作品だ。
自殺願望のある高校生スヒョンが、マンションの住民たちと怪物に立ち向かうホラー&ヒューマンドラマ。本作は、ウェブトゥーンの原作とドラマを別の作品として2度楽しむことをオススメする。ドラマはCGの技術を駆使したことで、怪物の再現度、映像のクオリティが高く、全10話を映画のように一気見してしまった人も多いのではないだろうか。一方、ウェブトゥーンでは“ヒューマンドラマ”の部分が深く丁寧に描かれており、ドラマでは省略されてしまった部分も多い。また、“縦スクロール”の読み方は、怪物に追いかけられたり次の展開が気になる場面で、スピード感をより味わうことができる。
ここで“縦スクロールのウェブトゥーン”について少し触れておきたい。ウェブトゥーンとはウェブサイトで公開される漫画で、スマートフォン端末で読まれる前提として描かれている。紙媒体メインの日本漫画と大きく違う点は、“縦読み”であること。上から下へ移動することで、ページ数やコマ割りという概念がない。また、ほとんどの作品が“オールカラー”であり、映像を観ているような感覚が楽しめる。そういった点も、漫画を原作にした作品を違和感なく映像化できる一つの要因なのかもしれない。
映画作品にも注目したい『シークレット・ミッション』
北朝鮮のエリート部隊に所属するリュファンは、ソウルの田舎街にスパイとして潜入し2年が過ぎていた。リュファンは身元がバレないよう、緑のジャージを着た“アホ丸出しの青年ドング“を演じて暮らしている。『愛の不時着』を観た人は、彼の姿を見かけているはず。韓国に潜入した北朝鮮の5人の兵士たちにアドバイスをして、「ドゥへへ」と笑って去っていったあの青年だ。なんと彼の背景は、ウェブトゥーンまたは映画でも見ることができる。しかも、映画は韓国での観客動員数600万人を越えたヒット作と聞くと、彼の人生を少し覗いてみたくはないだろうか。
“アホの青年ドング”と“エリートスパイ・リュファン”を演じるのは、キム・スヒョン。最近では『サイコだけど大丈夫』のムン・ガンテを演じたことが記憶に新しい。イケメン俳優とされるキム・スヒョンが挑戦する、振り切ったアホな演技とアクションシーンを見れるのは、映像ならではのもの。映像化による俳優の意外性が加わり、さらに話題を呼んだ。
隙間時間にも気軽に読めるウェブトゥーンは、韓国で主流のコンテンツとなっている。つまり、多様なジャンルの作品が増え続けているということだ。韓国ドラマや映画を選ぶ際に“ウェブトゥーン原作”とキーワードを加えると、多くの人たちから愛されている作品に出会える。2021年上半期のウェブトゥーン原作ドラマは、『ナビレラ ーそれでも蝶は舞うー』、『模範タクシー』、『九尾の狐とキケンな同居』の作品を中心に、ストーリーだけではなくキャスティングを含め、放送前から話題となった。下半期ドラマも目が離せないラインナップに注目していきたい。
■ヨシン
韓国作品中心に愛を叫ぶ。一日三膳三ドラマをモットーに、毎日作品に触れる。ソウルフードはトッポッキ。ヨシンは韓国語で「女神」のことです。悪しからず。Twitter
■配信情報
Netflixオリジナルシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』
Netflixにて、シーズン1全世界同時配信中