『コントが始まる』神木隆之介×古川琴音の距離が急接近 好きのサインは粋なサプライズで

 『コントが始まる』(日本テレビ系)は、うまく生きられない人に寄り添うドラマだ。うまく生きられない人に、寄り添ってくれる登場人物がドラマ内に配されていること。その優しさが心に沁みる。

 マクベスが正式に解散を決めたことに誘発されるように、その解散ライブに向けて登場人物たちの時間は刻々と動き始めている。潤平(仲野太賀)は奈津美(芳根京子)との結婚と実家の酒屋を継ぐことを真面目に考え、つむぎ(古川琴音)は里穂子(有村架純)と一緒に住む家を出ていくと決める。

 5月29日放送の第7話では、取り残されてしまった里穂子がようやく転職を考え始める。潤平と奈津美の取り計らいによって転職エージェントを紹介してもらい、前向きになっているようなのだ。「就職のこといろいろ教えてくださいよ、里穂子先輩」と、一時期の苦しみを救ってくれたマクベスの春斗(菅田将暉)から頼られたことが、先に進むきっかけや責任を与えたのかもしれなかった。

 そういう風に感情が前向きになっているときに、奈津美のような存在がいるのはとても心強い。「私が紹介したからって、ぜんぜん重く考えないでくださいね」と言ってくれる、近づきすぎない距離感が絶妙だ。奈津美は里穂子に対してこう言葉をかける。

「仮にこのあとどこかの企業と面接に漕ぎ着けたとしても、「受かったら入らなきゃいけない」なんて考えなくていいですから。(中略)こっちからも「選んでやる」って気持ちでいいと思うんです」

 プレッシャーを与えるわけでなく、ただ寄り添ってくれる。それはファミレスの店長(明日海りお)のアプローチもそうなのだろうし、このドラマの説教くさくなさにも通底している。

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