『ネメシス』第6話、真相究明に向けて加速の予感 気になる真木よう子、橋本環奈らの存在

 アンナ(広瀬すず)の父・始(仲村トオル)の失踪に、20年前の事件と“カンケン”こと菅研究所。いくつものミステリーを小出しにしながら、さまざまな事件を通してそれに一歩ずつ近付いてきた『ネメシス』(日本テレビ系)。5月16日に放送された第6話で、それが一気に前進することとなった。風真(櫻井翔)の台詞を借りれば、今回の事件は“パンドラの箱”を開くための鍵のようなものだろう。

 暴露系動画配信職人の“タジミン”こと多治見(柿澤勇人)がネメシスにやってくる。彼の依頼は、突然失踪した女優の久遠光莉(優希美青)を探し出してほしいというもの。何者かによって作られたフェイク動画によって、多治見と光莉が覚醒剤を使用しているという報道が流れてしまい、その犯人によって光莉は拉致されているのではないかと推測する多治見。犯人の心当たりとして彼が名前を挙げたのは、かつてニュース番組で共演していたというジャーナリストの神田凪沙(真木よう子)。その名を聞いた栗田(江口洋介)は、少し迷いながらも依頼を引き受けることにするのだ。

 序盤から「5月1日 14:09」といったようにシーンの切り替わりで逐一時間が表示されることによって、今回のエピソードでは時間にまつわる何らかの仕掛けがあることが示されていく。しかしそれが、犯人側が仕掛ける犯行トリックとしてではなく、犯人から証拠を引っ張り出すために風真たちが仕掛けるトリックとして機能しているのだからなかなか小粋なものだ。姫川(奥平大兼)の解析によって、ディープフェイクで作り上げられた動画の違和感に気付き、すべてが多治見による自作自演であることを見破った風真たちは、夜通しかけてそのトリックの裏をかくための準備を行うのである。

 廃工場で落下する麻袋から、それまで黒幕のような雰囲気を漂わせていた凪沙と記者の柿原によって捕まえられてしまう多治見。目を覚ました多治見の前に現れた風真とアンナが繰り広げていく“解決編”で、実は廃工場から撮影所に移動していたことがわかる痛快な種明かしに至るまで、今回は視聴者側を綺麗にあざむくミスリードがすべて効果的に働いていたと見える。さすがは入江悠の演出回と言わんばかりに、トリックの甘さが目立った前回と前々回のフラストレーションを吹き飛ばしてくれた。

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