『着飾る恋』新井順子Pに聞いた、本編後の仕掛け 横浜流星演じる駿目線の物語を描くワケ
TBS火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』の川口春奈と横浜流星のやりとりに対してSNSでは毎週、大きな反響が寄せられている。
本作は、綺麗に着飾ることで自分の居場所を得ていたヒロインが、価値観の違う人々とひとつ屋根の下で暮らしながら、恋をしたり、友情を深める中で、鎧を脱ぎ捨て、自分らしく生きる姿を描くラブストーリー。主人公の“着飾る女”真柴くるみを演じる川口春奈、“ミニマリスト男”藤野駿役の横浜流星のほか、ルームシェアメンバー役で関ジャニ∞の丸山隆平、中村アン、真柴が勤務する「el Arco Iris」の社長役で向井理、真柴の後輩役で山下美月(乃木坂46)と高橋文哉、真柴の唯一の女友達役で夏川結衣が出演している。
第1話で主人公・真柴が尊敬し、想いを寄せてきた社長・葉山(向井理)が突然と姿を消してしまう展開から、第2話では“共同生活の誘惑、甘い罠”により真柴と駿がキス。第3話では真柴からスマホを取り上げた駿が「デジタルデトックス」と真柴の手を握る。ラブコメドラマ定番ではない、2人の距離が近づいてく些細な描写に、関心が寄せられている。
そして、1〜3話にわたって、本編の最後に映し出されてるのが、駿を軸にした本編での出来事。第3話では、真柴の川に流されていった服の代わりを購入しにいくシーンが描かれた。本編のほとんどが主人公の真柴目線で物語が進んでいくが、本編後に駿目線で物語を振り返るストーリーが描かれるのが本作ならでは特徴でもある。この構成について、新井順子プロデューサーに話を聞いた。
「第1話を作っている時に、『彼の気持ちがわからないね』という話になったんです。『相手が何を考えているのかわからない』と悩む主人公を描くためには、“実は彼がこう思っているんだ”ということをシャットダウンしないといけない。でも、駿の気持ちがわからなすぎると(視聴者が駿を)愛せないかなと。だから、“実は彼が裏ではこう考えていた”というのを出したかったんです。ただ本編に入れてしまうと、(視聴者は)『駿はこう思ってるのよ、真柴さん』と思いながら観るじゃないですか。例えば『待ち合わせに来ないのはなんでだろう?』って真柴さんが思っても、一方の駿を見せたら『そういうことか』と視聴者の方が客観的な目線になってしまう。見ている方には真柴目線で見てほしい。今回は、駿の行動や真意がわからない状態で突き進んでいって、最後に『そういうことか』とわかる。主人公の目線を大切にして、最後に彼の本心がわかる構成で、2人を見やすく愛せるようにできればなと」