井浦新、『あのキス』で“心地の良い違和感”を生む豹変ぶり 松坂桃李と“癒やし”のやり取り

 しかし、もう一人、オジ巴の味方になってくれそうな人物がいる。かつて巴と1年だけ結婚生活を営んだ高見沢だ。実はオジ巴は完成した最新話の原稿を、これまで使っていた共有フォルダにいつも通りアップしていた。編集部は怪奇現象だとプチパニック。ただ一人だけ、高見沢は他の誰かが描いたかもしれないその原稿を読んで、蟹釜ジョー本人によるものだと信じて疑わない。ただそれは、のぞむが亡き巴の代わりにアップしたと思っているようだが、彼は顔を合わせたこともないのぞむを、巴が自宅の鍵を渡すほど心を許していた相手だからと信頼した奇特な人物でもある。相当、巴との絆は深かったのだろう。すでに離婚してはいるものの、のぞむの強力なライバルとなりそうだ。

 イケおじの代表格であるはずの井浦による圧巻のコミカルな演技で、オジ巴が時にはおじさんにしか見えず、また時には麻生が演じた美と愛らしさが同居する巴にしか見えない、絶妙で心地の良い違和感にのぞむも視聴者も困惑させられた第2話。オジ巴とのぞむのイチャつき(?)に癒されつつも、その中にのぞむの店員仲間の一人・水出(阿南敦子)が蟹釜ジョーのアンチかもしれないというスパイスも加えられた。彼女が今後どう関わってくるのか、そしてオジ巴がこれから描く『SEIKAの空』がいかに世へ送り出されるかにも注目だ。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。

■放送情報
『あのときキスしておけば』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15〜放送(一部地域で放送時間が異なる)
出演:松坂桃李、麻生久美子、井浦新、三浦翔平、岸本加世子、MEGUMI、猫背椿、六角慎司、阿南敦子、うらじぬの、角田貴志、藤枝喜輝、川瀬莉子、板倉武志、窪塚愛流
脚本:大石静
演出:本橋圭太、日暮謙、YukiSaito
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、本郷達也(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/anokiss/

関連記事