成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、細田守『竜とそばかすの姫』で主人公の同級生に

 7月に公開される細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』の声優キャストとして、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りらの出演が発表された。

 『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』と、過去作すべてが日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞し、『未来のミライ』ではアニー賞受賞に米国アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされた細田監督。本作では、『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』『サマーウォーズ』 と、約10年に1度描いてきたインターネットの世界を舞台に、『時をかける少女』以来となる10代の女子高生を主人公に迎え、世界の片隅で自分を失ってしまった少女が開く新しい扉、未知との遭遇、そして成長していく姿を、細田監督ならではのリアル×ファンタジーを通じて描き出す。

 主人公は、過疎化が進む高知の田舎町で父と暮らす17歳の女子高生・すず。幼い頃に母を亡くし、心に大きな傷を抱えていたすずが、全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット仮想世界「U」に、歌姫「ベル」として参加し、その歌声で瞬く間に世界に注目される存在になっていく。

 主人公すずの幼なじみであり、何かとすずを気に掛けるしのぶくんを演じるのは、今年だけでも出演した映画がすでに3本公開され、NHK連続テレビ小説『おちょやん』など実写作品はもちろん、新海誠監督の『君の名は。』『天気の子』では、両作品で同じ役を演じた成田。アフレコ時には、監督から「成田くんならどう思う?」と2人で役に付いて話し合う姿もあったという。

 カヌー部を1人で立ち上げインターハイを目指す、天真爛漫を通り超し、少し周囲から浮きつつもアツイ男子生徒・カミシン役を演じるのは、『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』に続き、3度目の細田作品出演となる染谷。『バケモノの子』以来、染谷にとって6年ぶりとなるアニメ声優だが、アフレコ時には監督と「6年も経った気がしない」(染谷)、「ブランクを感じさせない、さすがです!」(細田)と、久々の再会を喜んだ。

 そして、吹奏楽部でアルトサックスを吹く、モデルのような女の子で、太陽のような存在感からみんなの人気者のハイスペックガール・ルカちゃん役には、モデルとしても活躍し、『Diner ダイナー』『悪の華』『地獄少女』などでその存在感を発揮してきた玉城が決定。自身とも重なる美しくて人気者の役柄ながら、ただ明るいだけでない一面ものぞかせ、「さすが女優さんという気がしました…」と細田監督がうなる一幕も。オーディションで選ばれ、アニメ声優初挑戦ながら、共演の染谷からも「とてもお上手だった…」という声があがっている。

 さらに、主人公・すずの良き理解者であり親友のヒロちゃん役で、シンガーソングライターの幾田りらが声優に初挑戦。本格的な演技自体も今回が初となる。今作では、すずを「U」へと誘い、歌姫・ベルとしてプロデュース。すず=ベルの正体を唯一知るキーパーソンで、自身の持つふんわりとした優しいイメージとは正反対の毒舌冴えわたる女子高生を演じる。幾田はオーディションを受け、今回の役が決まったが、声を聞いた監督からは「聞いたことのない声。滑舌がとても良く、プロの声優のよう。初めてやるとは思えない!」と絶賛の声が寄せられている。

 また5月7日より、現在制作真っ只中の映画『竜とそばかすの姫』の完成までを追う特別密着映像「Making of 竜とそばかすの姫」が東宝MOVIEチャンネルにて配信スタートした。

コメント

成田凌(久武忍役)

細田監督の作品をずっと観ていたので、今回初めてご一緒して、演出をして頂けるのはとても嬉しかったですし、貴重な時間だと思いながら、毎日を過ごしていました。
監督はすごく優しくて、「成田くんならどう思う?」と優しいアプローチの仕方をしていただいたので、言って下さることも分かりやすかったです。もちろん妥協しない部分もたくさんありますし、僕が「今の大丈夫かな……」と思ったところが、意外に「今の良かったよ!」と言ってもらえたりもして、監督の中に常に正解があるんだなと思いながら、アフレコしていました。
僕が演じるしのぶくんは、久々に高校で再会するすずの幼馴染で、すずが抱える悩みも唯一知っている男の子です。すずに寄り添いながら、そっと近くにいてあげられるのは自分だと思っているのですが、すずからしたら、ちょっと遠い存在にいるような人で……。なかなか難しい関係性ではありつつも、そのちぐはぐさが、演じていておもしろかったです。
自分のアフレコが終わった後、ベル役の方が歌うと聞いたので、残って聴かせてもらったのですが、凄すぎましたね……。映画館で聴いたらどうなるんだろう…と想像しましたし、あの歌声を壁一枚挟んで聴けたのは、すごい体験で、自慢できるなと思いました。主人公の心の持ちようで歌い方も変わっていくのですが、そこを表現できるベル役の方は本当に素晴らしいです。今作の見どころは、やっぱり何と言ってもベルの歌だと思います。

染谷将太(千頭慎次郎役)

細田監督の作品はずっと観ていて、毎回感動させて頂いてます。今回呼んで頂き、とても嬉しかったです。
監督が、カミシンは、その場の空気というか、温度がガっと上がるような存在だけど、元気なだけじゃなく、ある種どこか天然で、読み切れない部分があり、そこを表現してほしいとおっしゃっていて、ただ元気なだけではなく、繊細な部分は繊細に、いいグラデーションが出せるよう、魅力的なキャラクターを台無しにしないように演じました。
普段は自分の顔が出るお芝居が多いので、監督がおっしゃっているニュアンスを声で体現するのは、改めて難しいなと思いましたし、求められるレベルに応えるのに必死でした。アフレコ自体は短い時間でしたが、とても濃厚な、良い経験をさせて頂きました。
監督の作品は、自分を認めてくれているような、「人間いろいろあるけど、それでもいいよ」と優しい言葉をかけてもらっているような気がして、そこがグッときます。背中を押してもらえるような、自分にとっても大切な作品が多いです。
今回はアクションやファンタジー要素も多いですし、純粋にエンターテインメント作品として楽しめながら、みんなが抱えているものだったり、人としての闇の部分であったり、そこもちゃんと描いた上で、見ごたえのある作品になっていると思います。実際完成したアニメーションにベルの歌声が響くのも、今からものすごく楽しみです。

玉城ティナ(渡辺瑠果役)

細田さんの作品は、以前から、新作の発表を待ち望んでいたので、オーディションでこの役が決まった時は、嬉しかったですし、初めてのアニメ声優のお仕事が、細田さんの作品でとても光栄です。脚本を読んでいても、惹きつけられる部分が多く、ルカちゃんとして作品に貢献できればと思っています。
私が演じるルカちゃんは、皆から好かれていて、クラスの中心にいる目立つタイプの女の子ですが、物語が進むにつれ、表面的な部分だけじゃなく、内面も見えてくるキャラクターです。ただかわいいだけの女の子ではないので、自分としてもしっくりきましたし、そんな子を演じられて、とても嬉しかったです。「どんな子だろう……」と自分なりに考えていましたが、現場で監督がその都度アドバイス下さるので、安心して臨めました。
『サマーウォーズ』でもインターネットの世界が舞台でしたが、今作は、それが当たり前となった2021年という時代にピッタリですし、自分の居場所が、今いる場所じゃないところにもあるのかもしれない…と思っている方もたくさんいらっしゃると思うので、きっと誰でも感情移入して観られると思います。

幾田りら(別役弘香役)

私の演じるヒロちゃんは、喜怒哀楽が豊かなタイプで、一つのセリフの中だけでも、強弱や変化が多いので、声の高低差や言い回し、細かいニュアンスをつけるよう意識しました。どこかプロデューサー的な、放っておけないすずの手を引っ張っていくような女の子ですが、とにかくすずが大好きで、応援したくてという愛の部分が大きく、そこを真摯に表現したいと思いました。
細田監督から「聞いたことのない、他にない声だね。ヒロちゃんのこの声は、きっと作品の味になると思う」と言っていただき、その言葉に応えられるよう頑張りました。
初めての声のお芝居でプレッシャーもありましたが、実際にアフレコが進んでいく中で、皆さんともコミュニケーションを取らせていただき、ヒロちゃんを通して私自身も成長させてもらえたのではないかと思います。
普段、音楽活動をしていてマイク前に立つことは多いですが、声優さんや俳優さんの方々と並んでやることはもちろん初めてで、同じマイク前でも今までとはまったく違う感覚でした。ブース内に一人ずつ仕切りがありましたが、それを飛び越えてくるような熱量を感じ、特に激しいシーンは、部屋全体の空気感のまま演じるように気を付けました。
すず役の方とは初日から一緒で、一言目のセリフから「すずだ!」と思ったのが、印象に残っています。ベルの歌声も素晴らしくて鳥肌が立ち、ご本人の感情が高ぶって声に現れる感じが、マッチしていて、感動しました。
監督の作品はどれも映像が美しく、今作でも<U>の世界や現実世界の風景も細かい所までとても美しく描かれているので、その絵の中で自分の声のキャラクターが動くと思うと感無量です。完成を楽しみにしています!

■公開情報
『竜とそばかすの姫』
7月、全国東宝系にて公開
監督・脚本・原作:細田守
企画・制作:スタジオ地図
声の出演:成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りらほか
製作幹事:スタジオ地図有限責任事業組合(LLP)・日本テレビ放送網共同幹事
配給:東宝
(c)2021 スタジオ地図
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