『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に登場の街が伏線? X-MEN、MCU登場の可能性

 また、MCUではX-MENを『ザ・ミュータンツ』というタイトルでまず映画化するという噂もあります。確かに2019年のサンディエゴ・コミコンのマーベル・スタジオのパネル(プレゼンテーション)では、MCUのキーマンであるケヴィン・ファイギ氏は「今後のMCUでファンタスティック・フォーもミュータントのことも考えている」と言ったのです。「ファンタスティック・フォーとX-MEN」とは言わなかった。僕はこのパネルは取材したのですごく印象的に覚えています。ただこの時は『ニュー・ミュータント』がリリースされるかどうかまだ宙ぶらりんでしたから、そのことを意識して“ミュータントたちのことも”と言ったのかとも思ったのですが、どうやらX-MEN全体のことをさしていたようです。MCUの世界にはまだ“ミュータント”という概念は登場しないから、まず『ザ・ミュータンツ』というタイトルの映画でまず彼らの存在を描き、そして彼らがヒーローチームを結成した時点で『X-MEN』というタイトルをフィーチャーするのかもしれませんね。

 なお『ザ・ミュータンツ』というのは元々、スタン・リー氏がX-MENのコミックを世に出す時考えていたタイトルですが、ヒーローものとしてわかりにくいというころでX-MENにしたと聞いたことがあります。つまりX=EX、エクストラ(格外)の力を持った人々ということです。

 さて、MCUについていえば、嬉しい発表もありました。MCU期待の2大映画の邦題と日本公開日が発表されました。『シャン・チー/テン・リングスの伝説』が9月3日、『エターナルズ』が11月5日です。今年は7月9日に『ブラック・ウィドウ』が公開されますから、劇場で3本のMCUを楽しめそうです。

 『エターナルズ』のクロエ・ジャオ監督は、アカデミー賞有力候補の『ノマドランド』の監督です。僕はこういう作品の魅力をきちんと言語化できる術をもっていませんが素直に心に染みて、「ああ、いい映画を観たな」という気持ちにさせてくれる映画でした(『ノマドランド』には一か所MCUファンを「お!」と思わせるシーンもあります)。この『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督が、超人族『エターナルズ』をどう描くか、楽しみです。

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■配信情報
ディズニープラスオリジナルドラマシリーズ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
ディズニープラスにて独占配信中
出演:アンソニー・マッキー、セバスチャン・スタン、ダニエル・ブリュール
監督:カリ・スコグランド
脚本:マルコム・スペルマン
原題: The Falcon and Winter Soldier
(c)2021 Marvel

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