トラン・アン・ユンがプロデュース チャン・タン・フイ監督作『走れロム』6月11日公開

トラン・アン・ユンがプロデュース チャン・タン・フイ監督作『走れロム』6月11日公開

 第24回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門(新人監督コンペティション部門)最優秀作品賞を受賞した映画『走れロム』が、6月11日より公開されることが決定した。

 本作は、賑わうサイゴンの裏町を舞台に、孤児の少年ロムが夢を叶えるため、巨額の当選金が手に入る“闇くじ”に挑む姿を描いた人間ドラマ。監督を務めたのは、本作が長編デビュー作にして第24回釡山国際映画祭ニューカレンツ部門最優秀作品賞、第24回ファンタジア国際映画祭最優秀新人作品賞の受賞はじめ世界各国の映画祭で熱い視線が注がれる期待の新鋭チャン・タン・フイ。

 社会主義国家のベトナムにおいて顕在化させたくない社会問題となっている“闇くじ”を描いたことで、当局の検閲が入り修正を余儀なくされる。そうした苦境を経て迎えた本国ベトナムでの公開は、ロングランヒット中だったクリストファー・ノーラン監督作『TENET テネット』を興行成績で上回るヒットを記録した。ミニシアター文化のないベトナムで、インディペンデント映画が商業的にも成功をおさめる快挙となった。

 『走れロム』の前日譚である短篇『16:30』に続いて主人公ロムを演じるのは、 監督の実弟でもあるチャン・アン・コア。起用についてフイ監督は、「撮影方法を、各シーンにふさわしい天候や状況、それも太陽が出ている時間帯だけ撮るという手法を選んだため、撮影だけで短篇『16:30』は3カ月半、『走れロム』は1年7カ月かかり(『走れロム』で実際に撮影したのは89日間)このスケジュールに合わせられることが、キャスティングの条件の一つでした。その上で、知名度や演技経験を問わず、目でストーリーを語れる人を探した中、ロム役に自分の家族を使うという暴挙に出たわけですが、彼以上にロム役にふさわしい人はいなかったと思います。演技経験がないゆえに、失敗をすればするほど経験が増えてロムという人間になっていきました。また、顔が私に似ている点でも私の人生を描いた映画にはぴったりでした」と語っている。

 また、本作にはプロデューサーとしてトラン・アン・ユンが参加している。フイ監督は、最も影響を受けた映画作家として名前をあげ、彼の手がけた『シクロ』のような社会を映し出す作品を作っていきたいと語っている。2人の出会いは、ユン監督がサポーターを務めるオンラインの短編映画祭に、フイ監督の短編『16:30』が上映されたことが縁となった。現在、フイ監督の次回作『Tick It(原題)』もユン監督とともに準備中だ。

 編集を担当したリー・チャータメーティクンは、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『ブンミおじさんの森』『光りの墓』、中国のワン・シャオシュアイ監督『在りし日の歌』など、タイが生んだ名編集者。音楽は、ダンス、演劇、映画などさまざまなジャンルで活動し、舞踊家の金森穣、台湾の歌手・廖士賢をはじめとする各国のアーティストとのコラボレーションでも知られる、トン・タット・アンが担当。映画音楽を手がけた作品には、レオン・レ監督『ソン・ランの響き』、アッシュ・メイフェア監督『第三夫人と髪飾り』、そして、河瀬直美監督『朝が来る』がある。

 撮影監督のグエン・ヴィン・フックは、15歳の時に映画のワークショップでフイ監督と知り合って以来、切磋琢磨し何本も一緒に作品を作ってきた仲間の一人。新鋭レ・ビン・ザン監督による、人肉ホラーの問題作『KFC』やベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門で審査員特別賞を受賞したレ・バオ監督『Taste』などの撮影を担当するなど新世代監督たちの撮影を担っている。

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■公開情報
『走れロム』
6月11日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか順次公開
監督:チャン・タン・フイ
出演:チャン・アン・コア、アン・トゥー・ウィルソン
プロデューサー:トラン・アン・ユン
提供:キングレコード
配給:マジックアワー
(c)2019 HK FILM All Rights Reserved.
公式サイト:www.rom-movie.jp

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