『リカ~リバース~』ワールドに病み付き 狂おしい“純愛”を貫く雨宮家のDNA

 「運命の人」を追い求め、狂った愛情を振りかざす雨宮リカ(高岡早紀)、28歳。衝撃のサイコスリラーとして人気を博した連続ドラマ『リカ』のエピソード0にあたる『リカ〜リバース〜』(東海テレビ・フジテレビ系)が4月3日に最終回を迎えた。本作は『リカ』の主人公・雨宮リカの誕生の秘密を描いた全3話の物語だ。狂気と純愛が混沌とした世界観は前作同様、多くの視聴者を病み付きにさせた。

 本作の舞台はリカがまだ少女時代の雨宮家。高岡早紀演じる母親の麗美と双子の娘の梨花(田辺桃子)、結花(山口まゆ)は裕福な家庭で何不自由なく暮らしていた。しかし華やかなのは表向きのみ。実際には、父親の不倫、母親のねじれた愛情、挙句の果てには母娘3人で家庭教師の宗像(浅香航大)を奪い合うという、およそ平穏とは言えない内情を抱えていた。ある時、そんな雨宮家のまわりで不審な死が相次ぐ。父親の武士(小田井涼平)の不倫相手、千尋(阿部純子)が失踪し、その後武士が自殺。もう一人の家庭教師である宗像は火事で焼死し、双子の姉の梨花は刺殺死体となっていた。純愛に取り憑かれた母親、麗美の仕業か。いつも羨望の眼差しを集める勝気な姉、梨花の仕業か。誰もが異常な雨宮家の人物に疑いを持ち始める。ここで、すべての事件の真実に迫ったのはお手伝いの幸子(福田麻由子)なのだが、推理は外れ、彼女もまた殺されることに。

 リカの“真実” と共に明かされた犯人は驚いたことに、あの大人しく従順な妹の結花であった。いつも姉の引き立て役を買って出て、一切自我を見せずに口数も少なく暮らしてきた結花。だが心の奥底では大好きな父親や宗像に愛されることを渇望し、それ故に梨花だけでなく麗美までも殺してしまう。ここで結花の口癖である「お姉さまになりたい」という願望は実現され、新生「雨宮リカ」として再出発をすることになるのだ。常に梨花の陰に隠れていた結花が、麗美と梨花のDNAを引き継ぎ「雨宮リカ」としてリスタートするというエピソードを描くことで、なぜリカがこれほどまでに狂おしく「純愛」を追い求めているのかが明らかになった。

関連記事