『青のSP』藤原竜也が毒親問題の核心を突く スクールポリスの真価が試される最終章

 「私の時間返せ」と言うとき、親は自分の人生を生きていない。それは子どもがいるからでなく、親も自分の人生を確立できずに苦しんでいるのだ。隆平の言葉は、自分の人生をきちんと生きることが子どもに対する最高の教育になることを示していた。嫌われたくなくて親の意向に従う子どもも、成長するにしたがい自我が芽生え、いつかは親の手を離れる。それなら、自身の人生をしっかり歩めるように協力すべきだ。そのための力が足りなかったり、どうしたらいいかわからない時に「やりたいことがあるなら突っ走ってみろよ」と背中を押してくれる存在は貴重である。

 双葉と恭子は親子の関係を見直すことができたが、聞き入れない親を持った美月と佳澄はどうすればいいのだろう? 親に裏切られた2人は大人が信用できないものに映ったに違いない。自力でなんとかするしかないと考えた彼女たちが、どんな手段を取るか考えたとき、三枝(山田裕貴)が口にした「大人顔負けのワル」という言葉が頭をよぎった。「強い意志や信念を持ち、目的達成のためならどんな犠牲もいとわない化け物」。まさかと思うが、毒親に育てられた子どもは大人に復讐し、大人を支配しようとするのではないか? もしそうなら、そんな彼らの味方になって寄り添うことはできるのか? 法の網さえくぐり抜ける相手を前に、スクールポリスの真価が試されている。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:藤原竜也、真木よう子、山田裕貴、泉澤祐希、たくませいこ、渋谷謙人、智順、兒玉宣勝、金沢雅美、音尾琢真、石井正則、須賀健太、遠藤雄弥、明日海りお、峯村リエ、升毅、山口紗弥加、高橋克実
脚本:大石哲也、山岡潤平、小島聡一郎
音楽:菅野祐悟
プロデューサー:河西秀幸、国本雅広、高橋史典
演出:国本雅広、白川士、高橋貴司
制作:カンテレ、ケイファクトリー
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/schoolpolice/
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