『天国と地獄』東朔也の正体を徹底考察 柄本佑演じる陸がキーパーソンに?

双子の運命が再び交わった、まだ私たちの知らない接点とは

 日高が、東朔也の消息をたどるように、事件に関与していたことは間違いなさそうだ。だが、その動機がまだわからない。“リストにない人を殺すなんて”と動揺する姿から、コミュニケーションが一切取れていないことが見て取れ、単純な共犯関係ではなさそうだ。

 生き別れた兄だから、という理由だけでは、日高がそこまでリスクを取るとは思えない。だとしたら、毎回現場にあの歯を置いていくということだけが知らされていたのだろうか。だが、先にも述べたように、弟を面倒なことに巻き込もうという人間性が湯浅と重ねた東朔也にあるとは思えない。

 また、別の路線から東朔也について調べている河原(北村一輝)が掴んだ情報によれば、双子は親睦を深めている様子だった。生き別れたはずの2人がどこで何がきっかけで再会したのか。ヒントは、2人の母親の故郷である奄美大島に隠されているように思える。

 もしや、陸が証券マンから便利屋家業へと転身したきっかけとなった災害ボランティアの地が、奄美大島の緋美集落だったという線はないだろうか。もし何かの災害に見舞われていたのだとしたら、緋美集落が何もなかったのもつながるような気がする。何より、日高の濃厚なキスといい、湯浅の陸を買うスタンスといい、どうも2人の陸に対する情の深さには、まだ語られていない何かがあるのではないかと考えてしまう。

 また、十和田が自殺した後に、東朔也が漫画『暗闇の清掃人∅』の存在を知ったのだとしたら、その前にクウシュウゴウと名乗っていた十和田のプランに東朔也が乗ったということなのだろうか。それとも、生前の十和田とのつながりがあったのだろうか。そもそも本当に自殺だったのだろうか。加えて過去で気になる点として、日高が一連の実行犯ではないのなら、ボストン時代に日高が疑いをかけられていた連続強盗殺人との関連は全くの見当違いだったということか。

 そして前回、久米の家の前で東朔也が日高と八巻(溝端淳平)の張り込みに気づいて踵を返していたが、果たして東朔也は日高と彩子の入れ替わりを知っていたのだろうか。もし、気づいていないのだとしたら、日高の姿を見て何を思ったのだろうか……と、一気に話が進んだかと思えば、「では、あれは?」「ならば、これは?」と疑問は次々と湧き上がる。これから、その背景が一気に語られていくのかと思うと、ますます次回が楽しみだ。

■放送情報
日曜劇場『天国と地獄 ~サイコな2人~』
TBS系にて、 毎週日曜21:00~21:54放送
出演:綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹、吉見一豊、馬場徹、谷恭輔、岸井ゆきの、木場勝己、北村一輝
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
プロデュース:中島啓介
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木彩
製作著作:TBS
(c)TBS

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