『青のSP』葛藤を抱える役どころを田中奏生が好演 山田裕貴は教師役の演じ分けが光る

 家族の介護や世話をする18歳未満の子どもをヤングケアラーまたは若年介護者と呼ぶ。「高齢化社会の到来で若い人たちが家族の介護を強いられ、勉強することも働くこともできなくなっている」。正確な実態はわかっていないが、ある調査では高校生の約4%がヤングケアラーに相当するとされている(参考:ヤングケアラー 家族を介護・ケアする子どもたち その支援は?|NHK)。

 『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)第7話では、深山敏春(田中奏生)に注目が集まった。敏春は幼い頃に両親が離婚。母親は1か月半前に出て行き、1人で祖母の介護をしている。食べるものを買う金もなく、祖母には給食をタッパーに詰めて持って帰り、自分はコンビニでパンを万引きして飢えをしのいでいた。

 ヤングケアラーの問題は見過ごされやすい。小さい頃から家族の世話をしてきた本人にとって介護やケアは当然のことであり、担任の涼子(真木よう子)が差し伸べた手を敏春は「ウザい」と拒絶する。相談する相手がいないという問題もある。家庭内のことであり、従来の枠組みを超えた問題に対応する機関がないからだ。敏春の場合、三枝(山田裕貴)がたまたまスクールポリスで来ていたことで最悪の事態を免れることができた。

 現在放送中の『俺の家の話』(TBS系)もそうだが、前景化する介護の描写は高齢化が進む世の中を反映している。その上で、学校と社会の間の境界線を積極的に引き直すのが『青のSP』だ。ヤングケアラーを取り上げたのもその一つ。犯罪がなければスクールポリスの出番はない中、生活安全課少年係の三枝を、隆平(藤原竜也)の代打で涼子と組ませたのは良いアイデアだった。

 田中奏生はこの年代でもっとも活躍している俳優の1人だ。5歳でドラマデビューした田中はドラマファンにはおなじみの顔。最近では『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)の木村拓哉演じる主人公・島村の息子・瞬や、『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』(フジテレビ系)で技師長・小野寺(遠藤憲一)の息子役を演じた。今期クールでも『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)でウイルスに感染した妹を守る少年を演じるなど、家族との間に葛藤を抱える等身大の役どころを好演している。