広瀬アリスに共感&好感! 『知ってるワイフ』で築いた“ヒロイン”としての確固たる地位

 大倉忠義主演のドラマ『知ってるワイフ』(フジテレビ系)で、主人公の妻・澪を演じる広瀬アリス。初回の恐妻から一変し、キラキラと輝く女子高生や、明るく人柄が素敵な銀行員など、作中での正反対の演技が話題を集め、ヒロイン人気を確たるものにしている。多くの人が共感し、回を追うごとに好きになる本作での広瀬の魅力を掘り下げてみたい。

 『知ってるワイフ』は、仕事では業績不振で上司に叱られ、家に帰ると妻の剣崎澪に怒鳴られ、肩身の狭い毎日を過ごす主人公・剣崎元春(大倉忠義)が、突然大学時代にタイムスリップし、妻を入れ替えてしまうところから始まる物語。広瀬は、本来の時間軸の恐妻、元春と出会った頃の女子高生時代、元春と結婚していない新しい時間軸の明るい銀行員と、3つの年齢と性格の違う役を、巧みに演じ分けている。

 初回に登場した本来の時間軸での澪は、バイトに子育て、母の症も重なり、家族に協力的ではない不甲斐ない夫への不満の蓄積を「なんでこんな人生になってしまったのか」とぶつける。これまでも多くの作品でシリアスな演技を披露しているが、疲労感を感じているときや、不満が爆発したときなど、精神的に追い込まれた姿がこれまで以上にリアルで、見ていて辛くなるほど。夫への不満を抱える主婦の意見を代弁するかのような演技とキャラクターで、大きな共感を集め、ドラマのファーストインパクトを残すことに成功している。子どもを持つ主婦役は初めてながら、共感を生む母親のキャラクターを見事に演じたことは、広瀬のキャリアにとっても大きなターニングポイントと言えるだろう。

 出会いから結婚に至る女子高生時代の澪は、まさにそんなキャラクターとは真逆の役ながら、『銀の匙』での演技を彷彿とさせるようなヒロインらしさが全開で、広瀬の演技の振り幅に改めて驚かされる。