芦田愛菜は2021年の日本の救世主? 『えんとつ町のプペル』『麒麟がくる』で第2のブレイク期に

 12月25日から公開の映画『えんとつの町のプペル』では、ルビッチ役の声優を担当。芦田にとって声優は、『怪盗グルー』シリーズや映画『海獣の子供』、また『気づきの扉』(テレビ朝日系)やNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』でナレーションをするなど、女優業と並ぶキャリアを持つだけに違和感がなく、少年役も見事にハマっている。『まんぷく』でも感じたが、発音の良さや聞きやすい声質だけでなく、言葉が真っ直ぐに伝わってくるのが芦田の声優としての魅力。読解力と想像力が、俳優だけでなく、声優としても成功している理由だろう。

 

そして昨年最後に初登場した『麒麟がくる』では、明智光秀(長谷川博己)の成長した娘・たま(ガラシャ)役を演じている。2011年に『江~姫たちの戦国~』での大河ドラマデビュー以来約9年ぶりの大河出演となった芦田。南蛮衣装姿の光秀(長谷川博己)を見て無邪気に笑い、三淵(谷原章介)から生け花を教わる姿、すました時の知的で凛々しい表情など、最近の芦田が持つ上品な雰囲気とピッタリで、戦国の世を忘れさせるピュアなキャラクターを演じている。両親の愛情が注がれて育ったことが伝わり、母親の煕子(木村文乃)が初登場したときのような美しい存在感と似ている。煕子と同じように、光秀を慕い、温かく支える存在だが、このガラシャは、細川家に嫁ぎ、光秀が本能寺の変を企てることで肩身が狭くなり、数奇な人生を歩むことは歴史的にも有名なので、この初登場時のピュアさが、成長していく上でどう変貌していくのか。今作も、親を思い、様々な苦境に耐える芯を強く持った女性という、芦田が得意としている演技になると思われるので、今後の展開に期待が持てる。

 子役としてブレイクした2011年は震災のあった年で、彼女が多くのメディアに登場することで、震災の痛みを和らげる明るい話題を提供したことが、人気となった大きな理由だったように思う。そして2020年、コロナ禍という未曾有の事態の中、これだけ数多くのCMや映画に起用されたということは、彼女のような老若男女に愛される存在を再び時代が求めているとも言える。『麒麟がくる』のたま(ガラシャ)役を皮切りに、2021年は芦田が再び時代の救世主になるかもしれない。

■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin

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