広く知られる存在となった味方良介 『教場』を経て2020年は転機の年に?

 舞台をメインの活動フィールドとしていた味方良介にとって、この2020年は大きな転機の年となったのではないだろうか。彼のこの1年の活動を通して、多くの方がその存在を認知することになったはずである。そしてその多くが、彼に魅了されたことだと思う。

 映像作品への初挑戦となった『教場』(フジテレビ系)で、味方が世間に与えた衝撃は大きかった。本作は、フジテレビ開局60周年特別企画として、年明けに2夜連続で放送されたもの。警察学校を舞台に、主人公の教官役を務めた木村拓哉を筆頭とし、工藤阿須加に川口春奈、林遣都、葵わかな、三浦翔平や大島優子などが訓練生役として顔を揃えていた。いずれもが、映画やドラマといった映像界の最前線で活躍する者たちである。ここに、演劇畑の味方が参戦を果たしたのだ。

 筆者は2019年時点にいち早く試写で拝見していたのだが、作品そのもののクオリティ、演じ手たちの熱量に対して舌を巻き、興奮気味に本作の放送を心待ちにしていた。試写は映画館で行われたのだが、本放送を目の当たりにするのはおそらく多くの方が自宅のテレビのモニター。“鬼教官”を前に若者たちの奮闘するさまが、お茶の間の視聴者の目にどう映るのか非常に気になっていた。特に、この俳優たちの並びの中で、味方良介という俳優が世間からどのように受け止められるのかに興味があったのである。

 稀代のエンターテイナー・“キムタク”と対峙する彼の見せ場を目にし、試写の際に完全に心を奪われてしまっていたのだ。実際、放送後は味方に対する世間の反応が知りたくて、ついSNSで彼の名を検索してしまったほどである。視聴率は15%超えと、いわば高視聴率。こうして味方の存在は世間に広く知られることとなったわけだ。

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