『この恋あたためますか』まっすぐに進み始めていく四角関係 森七菜ら4人の属性を分析

 一方、里保は“ダメなところがあるからこそ伸びしろがある”と浅羽に励まされ、改めて努力を続けていくことが自分の良さだと気づく。天才型の樹木の斬新なアイデアを形にするためにも、努力型である自分の知識と経験をかけ合わせていく必要があるのだと、存在意義を再確認することができた。なぜなら里保が目指しているのは、たった1つのデザートを作るパティシエではなく大量生産ができるコンビニスイーツの開発者なのだから。

 そして、新谷は“自分が自分じゃなくなるのが恋”という店長の言葉通り、思わぬ行動に出た。それは、出張の帰りに里保と浅羽に気をつかって帰る樹木を送り届けたときのこと。いつもどおり「おやすみ」と別れるかと思いきや、不意打ちのキスをする。「今の関係を壊したくない」と浅羽への恋心に蓋をした樹木に対して、行動をしなければ何も始まらないと考えたのは努力型ならではの勇気だ。

 また、同じ行動型の里保も、勇気を出して素直に浅羽の手を握ろうとする。だが、ちょうどそのタイミングで浅羽のスマホが鳴る。相手は『ココエブリィ』創業者一族の清水香里。神子(山本耕史)の見立てでは、浅羽が創業者一族の懐に入り『ココエブリィ』の株を派手に売り飛ばそうとしているとのこと。

 もしかしたら神子の言う通り、全ては利益を生むための戦略だという見方もできなくない。スイーツ課から改革を始めたのも、里保がいればテコ入れをしやすいと考えたからかもしれない。樹木には「売れるほうの味方」だと発言したこともあった。新谷なら、どこまでも味方でいてくれるという読みがあるのかも……。

 だが、あの里保への切ない眼差しは、樹木に「数字を動かすだけのしごと」と吐露した姿は、新谷との「(人気店に)誘ってるのか?」と冗談を言い合う様子は……どれも偽りのない本心であると信じたい。緻密さと大胆さを兼ね備えた理性×天才型の浅羽は、その考えを読むのが難しい。しかし、だからこそ、みんなが彼に夢中になるのだ。

 感情型はその思いのままに。理性型はその冷静さを武器に。天才型は大胆に。努力型は着実に。それぞれが自分の良さを見出し、まっすぐに進み始めていく四角関係。それぞれの成長と恋模様から、ますます目が離せない。

■放送情報
『この恋あたためますか』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、飯塚悟志(東京03)、古川琴音、佐藤貴史、長村航希、中田クルミ、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史
脚本:神森万里江、青塚美穂
プロデュース:中井芳彦
演出:岡本伸吾、坪井敏雄
主題歌:SEKAI NO OWARI「silent」(ユニバーサルミュージック)
製作著作:TBS
(c)TBS

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