『先生を消す方程式。』田中圭の言葉が生徒の心を動かす 高橋文哉たち「4C」と「F4」の共通点

 だんだんわかってきたのだが、義経の話には明確な意図がある。「人生にはまさかの事が起きる」という言葉もそうだが、第1話で土下座を強要され、あえてそれに従うことで力のパワハラを諫めたように、「今この傷を負った私だから伝えられることがあります」と、ダメージを利用して、逆転の発想で生徒を指導するのだ。その鍵になるのが方程式。この日は「人生-友達=幸せ」。主体性を失ってしまうくらいなら、友達なんて必要ないと語る。

 極端すぎるメッセージ。だが、あえて傷を負い、自身が置かれた状況を伝えた上で発する言葉には、生徒の心を動かす力がある。とりわけ渦中にいる薙には刺さったはずだ。「自分を捨ててまで必要な友達なんかいないんだよ! 1人で生きろ」と薙に叫んだのは、義経自身がそうやって生きてきたからだろう。

 義経が探すもう1人の生徒、A君の正体も明らかになった。義経は、静の身に起きたことが自分にも起こることを予期して、あえて3年D組の担任を希望したことになる。問題を起こした力や薙を責めないことにも合点がいく。本丸は4Cではないからだ。ただ、すでに満身創痍の義経が「肉を切らせて骨を断つ」式の戦法を続けられるかは疑問。4Cと頼田のやり口もエスカレートしており、義経の命がけの授業が功を奏するか目が離せない。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『先生を消す方程式。』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:田中圭、山田裕貴、高橋文哉、久保田紗友、森田想、高橋侃、秋谷郁甫、奥山かずさ、榊原有那、川瀬莉子、田中亨、松本まりか
脚本:鈴木おさむ
音楽:HAL
監督:小松隆志ほか
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:秋山貴人(テレビ朝日)、遠田孝一(MMJ)、小路美智子(MMJ)
制作:テレビ朝日/MMJ
(c)テレビ朝日
公式Twitter: https://twitter.com/senkesu5
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