二世監督の話題作やホン・サンス最新作も! 東京国際映画祭&東京フィルメックスの注目作品を紹介

東京国際映画祭&東京フィルメックスの注目作

「第21回東京フィルメックス」では今年もホン・サンス監督の新作が

『逃げた女』

 続いて「第21回東京フィルメックス」。こちらも昨年に続き新作が日本初お披露目となる、ホン・サンス監督の最新作『逃げた女』が最大の注目作ではないだろうか。第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞した本作。主演はもちろんキム・ミニ。夫の出張中、郊外に暮らす3人の女性の友人たちを訪ねるヒロインの姿が描かれるという。東京フィルメックスの公式サイトには「猫の絶妙な演技にも注目」との記載があるので、そこも楽しみにしたい。なお本作は、ミモザフィルムズ配給により2021年に日本公開されることが決定している。

『無聲(むせい)』

 コンペティション部門での注目作は、台湾の女性監督コー・チェンニエンのデビュー作『無聲(むせい)』。台湾で実際に起こった事件をもとにした作品で、ろうあ学校に転校してきた少年がスクールバスである“ゲーム”を目撃したことから始まる残酷な現実が描かれていくという。なかなかハードな題材ではあるが、場面写真から漂う青春映画としての切なさや映像美という映画的な見どころもありそうだ。

 他にもデヴィッド・クローネンバーグ監督の名作『クラッシュ』の4K修復版、第70回ベルリン国際映画祭でテディ審査員賞を受賞したツァイ・ミンリャン監督の最新作『日子』、ジョニー・トーの呼びかけにより、ツイ・ハーク、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラムら香港映画界を代表する7人の映画監督たちがそれぞれの視点から香港の人々の生活を描いたオムニバス映画『七人楽隊』など、見逃せない作品が多数並ぶ。

 日本の映画館は現在『鬼滅の刃』一色だが、関東近郊に在住の方は、今年も無事に開催される1年に1回のお祭りである東京国際映画祭と東京フィルメックスにぜひ足を運んでお気に入りの一作を見つけていただきたい。

■開催概要
「第33回東京国際映画祭」
開催期間:2020年10月31日(土)~11月9日(月)
会場:六本木ヒルズ、EX シアター六本木(港区)ほか
公式サイト:www.tiff-jp.net

「第21回東京フィルメックス」
開催期間:2020年10月30日(金)~11月7日(土)、11月22日(日)
会場:TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町(レイトショー会場)、有楽町朝日ホールほか
公式サイト:https://filmex.jp/

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