エリア・スレイマン監督作『天国にちがいない』1月29日公開へ 東京フィルメックスではQ&Aも

 エリア・スレイマン監督作『天国にちがいない』が2021年1月29日より公開されることが決定し、あわせてポスタービジュアルが公開された。

 本作は、これまでわずか長編3作品と寡作ながらも、イスラエル領ナザレ出身のパレスチナ人監督であるという複雑なアイデンティティと唯一無二の作風で世界中で支持を得たスレイマン監督の長編第4作。パレスチナへの愛と苦悩、そして世界の混迷と人間の愛おしさを軽やかな映像美で描く。

 新作の企画を売り込むため、故郷ナザレからパリニューヨークへと旅に出たスレイマン監督。パリでは美しい景観に見惚れる一方、街を走る戦車、炊き出しに並ぶ大勢の人、救護されるホームレスを、ニューヨークでは、街で銃を持つ市民、上空を旋回するヘリコプター、セントラルパークで警官に追われ逃げ回る裸の天使を目の当たりにする。肝心の映画企画は友人のガエル・ガルシア・ベルナルのサポートもむなしく「パレスチナ色が弱い」とあっけなく断られてしまう。

 公開されたポスタービジュアル3種では、美しい海を眺めるシーン、パリの街角に放置された空き瓶の山やカフェのテラス席を管理する警官、セントラルパークの天使など豊かな映像美が垣間見える。さらに「この世界は、かくも可笑しく 愛おしい―。」というコピーが添えられている。

 なお本作は、公開に先駆け10月30日より開催される「第21回東京フィルメックス」で特別招待作品として上映される。監督のリモートQ&Aも予定されている。さらには、スレイマン監督の過去作『時の彼方へ』『D.I.』『消えゆく者たちの年代記』の特集上映も決定している。

■公開情報
『天国にちがいない』
2021年1月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督・脚本:エリア・スレイマン
出演:エリア・スレイマン、ガエル・ガルシア・ベルナル、タリク・コプティ、アリ・スレイマン
提供:ニューセレクト、クロックワークス
配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス
フランス・カタール・ドイツ・カナダ・トルコ・パレスチナ/英語・フランス語・アラビア語・スペイン語・ヘブライ語/2019年/102分/原題:It Must Be Heaven
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公式サイト:tengoku-chigainai.com

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