富裕層が人間狩りを行う映画『ザ・ハント』脚本家が誕生秘話明かす 「執筆していて危険だと感じた」
10月30日より公開される映画『ザ・ハント』の脚本を務めたデイモン・リンデロフとニック・キューズが、“人間狩り”という本作の設定の誕生秘話を明かした。
本作は、富裕層が娯楽として人間狩りを行うというその過激で残忍な描写も含め、政治的陰謀論のはびこるアメリカ社会への痛烈な風刺から全米で物議を醸し、一度は公開中止に追い込まれたサバイバル・アクション。
狩られる側として恐怖に突き落とされる“庶民階級”を『GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』のベティ・ギルピンが演じるほか、『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンク、『パロアルト・ストーリー』のエマ・ロバーツらが出演。『ゲット・アウト』や『パージ』シリーズを手がける、ブラムハウス・プロダクションズを牽引するジェイソン・ブラムが製作を務め、『コンプライアンス 服従の心理』『死の谷間』のクレイグ・ゾベルが監督を務めた。
ネット上の何気ない偏見と噂によって思考がエスカレートしたエリート集団が、ごく普通のアメリカ人たちを娯楽目的で「狩る」という“世にも恐ろしいストーリー”が展開されていく本作。脚本を書き上げたリンデロフ(兼製作)とキューズ(兼製作総指揮)は、2016年の大統領選挙以降、多くのアメリカ国民と同じように「政治的に取りつかれ」たそうで、両極化する政治情勢や政府機関に対する不信感の増長から「国民の日常生活の裏で本当は何が起こっているか」について語る陰謀説に対する支持が急上昇したことに着目した。
リンデロフが、「どういったタイプの人間が陰謀説を信じたのか? なぜ信じたのか? 本作のストーリーを最終的に形成したのは、『陰謀説は事実ではないのに、そのウワサのせいで非難され日常生活を奪われた人々が、もし報復として陰謀説を実現しようと決めたら?』という仮定だった」と語るように、その既存の陰謀説や都市伝説を「権力を握った一部の裕福な人間が娯楽として人間狩りを行う」という設定に発展した。
しかし、キューズは「何か主張をしようとか、政治や陰謀についてのストーリーを書こうとか思ったわけじゃない。今の社会や政治情勢を考えると、現実世界で起こっていると感じられるような題材を扱った映画の方が、僕たちにはより興味深いからね」と言及しているように、この最悪の設定が決して飛躍しすぎとは言えず、「本作では現実の世界からかけ離れたストーリーを語っているわけじゃないから、執筆していて危険だと感じたよ。だから世間の反応が少し怖いと感じたけど、同時に執筆作業がより面白くなった」と自信をのぞかせている。
■公開情報
『ザ・ハント』
10月30日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:クレイグ・ゾベル
製作:ジェイソン・ブラム
脚本:ニック・キューズ、デイモン・リンデロフ
出演:ヒラリー・スワンク、ベティ・ギルピン、エマ・ロバーツほか
配給:東宝東和
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