岡部大、『わたナギ』に続き『エール』での演技も高評価 朝の新しい“元気印”に

岡部大、『エール』でも演技が高評価

 ある日、古山家に「裕一(窪田正孝)の弟子になりたい」と田ノ上五郎(岡部大)という青年がやって来た。NHKの連続テレビ小説『エール』が第14週の初日を迎え、五郎の弟子入りが始まった。

 五郎は純朴で真面目な青年だ。作曲経験はないが、裕一同様、作曲家・小山田耕三(志村けん)の「作曲入門」を何度も読み返し、独学で音楽の勉強をしてきた。五郎は背筋をシャンと伸ばし「いつか僕も先生のように作曲で身を立てたいと思いまして。敬愛する古山先生のご指導を是非賜りたく、こうしてお願いにあがりました!」と頭を下げる。裕一は音(二階堂ふみ)と相談し、一度は弟子入りを断るのだが、五郎は諦めきれず幾度も古山家を訪れ、弟子入りを志願する。

 五郎を演じる岡部は『キングオブコント2018』(TBS系)でチャンピオンとなったお笑いトリオ・ハナコのメンバー。『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)で主人公・相原メイ(多部未華子)の同僚を演じていたのが記憶に新しい。岡部の自然な演技は注目を集め、SNS上では「岡部大さんの演技が好き。リアクションがいい」と人気に火がついていた。

 純朴だからこそ諦めが悪い五郎は、何度も何度も古山家を訪れる。しかし、諦めの悪い五郎の姿に鬱陶しさは感じられず、岡部のまっすぐな目とハキハキとした台詞回しによって、五郎の実直な熱意を感じさせた。五郎は裕一と話をするために下手な小細工などはしない。「どうしても先生の弟子になりたいんです!」「もう一度話をさせて下さい」と一心に頼み込む。野犬に襲われ、ボロボロな格好になってもなお、目を輝かせて懇願し続ける五郎の姿はコミカルだが、彼の誠実さに好感を抱いた視聴者も少なくないはずだ。

 五郎は、辛いとき、裕一の作曲した「紺碧の空」に励まされてきたと話す。彼がレコードを聴いて写していた譜面は正確だった。早くに親に売られ、居場所がなかった五郎にとって、裕一の曲は、そして音楽は、心の支えだったのだ。裕一から「君を弟子にする」と言われ、「先生〜!」と思わず抱きつく姿は、どこか愛おしい。

 第14週初日の放送終了後、SNS上では岡部の演技について「良い味出してる」との声も。放送再開後のキーパーソンとして期待が高まる。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、中村蒼、山崎育三郎、森七菜、岡部大、薬師丸ひろ子ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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