フランス映画の金字塔が蘇る マルセル・カルネ『天井棧敷の人々』4K修復版で10月23日公開

 映画『天井棧敷の人々 4K修復版』が、10月23日よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開されることが決定し、あわせてポスタービジュアルと予告編が公開された。

 ヴェネチア国際映画祭で監督賞を受賞した『霧の波止場』や、『陽は昇る』『悪魔が夜来る』などを生み出した、監督マルセル・カルネと脚本家ジャック・プレヴェールによる『天井桟敷の人々』が4Kで蘇る。第二次世界大戦中ナチス占領下となったパリから逃れ、非占領地区の南フランスはニースで製作された本作は、戦争の影響で何度も中断の憂き目に遭いながら、撮影に丸2年を費やし完成された。

 本作には、恋に落ちたパントマイム師にジャン=ルイ・バロー、艶やかさと気品を備えた女芸人にアルレッティ、本作が映画デビューとなったマリア・カザレスなど当代随一の役者が集結。また、19世紀パリの犯罪大通りを再現した全長400mに及ぶオープンセットに、1500人のエキストラを動員した大通りのシーンは、戦時下で撮影したとは思えない壮大さと活気に満ちている。美術監督のアレクサンドル・トローネルと音楽を作曲したジョゼフ・コスマは、ユダヤ人であったため当時は公の活動を禁止されており、表に出ることなく人を介して本作を完成に導いた。

 公開されたポスタービジュアルでは、ルイ・バロー、アルレッティ、そしてピエール・ブラッスールを捉えた劇中劇シーンが切り取られている。

『天井棧敷の人々 4K修復版』予告編

 また予告編では、絢爛たる19世紀パリの世界に、詩人プレヴェールのエスプリの利いた台詞の数々がちりばめられている。そして終盤には、「詩人プレヴェールによる数々の名台詞が人間の弱さや愚かさ、愛の真実を見事に表現します 何があっても観ておくべき!世界最高の恋愛映画」という美輪明宏のコメントで締めくくられている。

■公開情報
『天井棧敷の人々 4K修復版』
10月23日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか順次公開
監督:マルセル・カルネ
出演:アルレッティ、ジャン=ルイ・バロー、ピエール・ブラッスール、マリア・カザレス、マルセル・エラン、ピエール・ルノワール
脚本・台詞:ジャック・プレヴェール
撮影:ロジェ・ユベール、マルク・フォサール
美術:アレクサンドル・トローネル、レオン・バルザック、レイモン・ギャビュッティ
音楽:ジョゼフ・コスマ、モーリス・ティリエ
演奏:コンセルヴァトワール管弦楽団
配給:ザジフィルムズ
原題:Les Enfants du Paradis/1945年/フランス映画/モノクロ/スタンダード/190分(第1部101分、第2部89分)
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公式サイト:www.zaziefilms.com/tenjou/

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