織田裕二&中島裕翔らの“逆襲”がついにスタート! 『スーツ2』事務所メンバーそれぞれの戦い
“コースタル訴訟”に端を発した社内メモの隠蔽疑惑によってファームを追われることとなった玉井(中村アン)。彼女がいなくなったことでわかりやすく落胆する甲斐(織田裕二)自身も、「弁護士資格剥奪」という和解条件を提示され窮地に陥ることに。そんななかで突然華々しいマカオに飛ぶシーンから幕を開けた、8月17日放送の『SUITS/スーツ2』第6話。“新章スタート”と銘打たれとはいえ、まだ解決していないこれまでの“復讐編”の空気は残る。それはまるで、甲斐とファームの窮地から脱するために、それぞれの弁護士が自らの機動力を証明するエピソードであったといえるだろう。
甲斐が顧問弁護士を務める碓氷ジュエリーの社長・碓氷秀明(博多華丸)に会うためにマカオのカジノまでやってきた甲斐と大輔(中島裕翔)。ギャンブル依存症の碓氷はそこでポーカーに興じており、元会社社長の城田(三浦誠巳)から300万ドルを借りる代わりに会社の全株式を担保にしてしまう。そして案の定、ポーカーに負けてすべてを失った碓氷。そんな碓氷に“借り”があるという甲斐は、城田と彼の代理人弁護士に会い、碓氷の意思能力の欠如を理由に和解を申し出るものの交渉は決裂。逆に契約不履行であることや、過去に碓氷が会社の金でギャンブルの損失を補填していたことなどの“切り札”を突きつけられてしまうことに。
「勝つのに必要なのは運じゃない。場を支配する力だ」。完膚なきまでにツキに見放され、いつものようにうまく物事を運べない甲斐が、最後の賭けとして城田に投げかけた“爆弾”は、まさかのポーカー勝負。そこで城田の弱みを見抜き、巧みにつけ込みながらリスクを恐れずに果敢に挑んでいくことで、勝ちをもぎ取るのである。一時は「配られたカードが悪すぎる」と負けを意識しながらも、瞬く間に覚醒し「勝ちへの執着が違う」といつもの調子に持ち直す甲斐。ポーカーになぞらえた軽やかなセリフ回しの数々が、その迫力と切れ者感をいつにも増して冴え渡らせていた。
その一方で、蟹江(小手伸也)はバレエ団と設備不良を抱える劇場とのいさかいの代理人に自ら名乗り出るが、クライアントであるバレエ団の演出家を過信しすぎたあまり重要な問題を見落として窮地に陥る。しかし聖澤(新木優子)から発破をかけられるとたちまち目を覚まし、見事に逆転。また弁護士会から甲斐の一件で呼び出された幸村(鈴木保奈美)は、ロースクール時代の因縁の相手である羽鳥(堀内敬子)からの圧を見事にかわし、華麗なる“倍返し”を決める。なるほど、第3話からの“復讐編”というのはもしかすると、上杉(吉田鋼太郎)や冨樫(高嶋政宏)といった特定の敵に向けたものではなく、“絶対に負けない”という強いプライドを持ち合わせた弁護士たちの、“やられたらやり返す”高尚なスピリッツを示したものだということなのか。