『麒麟がくる』まであと3週! 朝焼けを背負った染谷将太の初登場シーンも

 現在、放送を休止している大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合)が8月30日より再開される。それに伴い8月9日は「『麒麟がくる』まであと3週! これまでの名場面すべて見せます総集編(1)旅立ち」が放送された。

 『麒麟がくる』は、智将・明智光秀(長谷川博己)を主役に、平和の象徴「麒麟」が来る世を追い求める戦国の英傑たちの姿を描く。若き光秀は新しい武器・鉄砲を探しに広い世界へ飛び出し、そこで様々な人々との出会いを経験する。視聴者にとってはどれもが懐かしいシーンとなったが、中でも印象深かったのは斎藤道三(本木雅弘)が企てた暗殺シーン。「おもしろや~この宿は~」と囃し唄を謡いながら茶を立て、顔色一つ変えずに帰蝶(川口春奈)の婿である土岐頼純(矢野聖人)のことを毒殺する。まさに“マムシの道三”の所業。帰蝶にとっては自分の夫が実の父親に殺されたことになり、この後見せる複雑な表情からも父と夫の間に挟まれた苦悩は計り知れない。それぞれの登場人物の目線に立つと違った視点で物事が見えてくることこそ、歴史を描いた作品の醍醐味だろう。

 さらにこの後のエピソードに大きく関わってくる徳川家康の幼少期・竹千代(岩田琉聖)との初対面シーンも見逃せない。幼少期から三河の人質として織田家に捕らわれていた竹千代は光秀に、母の元へ行きたいと訴えるが、光秀は干し柿を渡す。この場面は、竹千代の愛らしさがその身の上を一層せつないものにしているだけでなく、後のドラマに重要な人物が、こんなに幼いころから光秀と対面していたことも描いており、浪漫を感じずにはいられない。

 そして、本作において主人公と並ぶ重要な存在と言っても過言ではないであろう、織田信長の初登場シーンも何度観てもインパクトのあるものに仕上がっていた。朝焼けを背負い、船に仁王立ちして登場する信長(染谷将太)は、まるで未来の将軍とは思えない風貌。帰蝶は次の自身の夫となる信長が“うつけ者”だと噂されていたことから、どんな人物なのかを案じて光秀に偵察させていたのだ。

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