『ダンケルク』日本初上映のドルビーシネマに注目! 高まる『TENET テネット』への期待

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、『インターステラー』IMAX 70mmフィルム上映を観るためにオーストラリアに行った経験のある安田が、リバイバル上映中の『ダンケルク』をプッシュします。

『ダンケルク』

 クリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』の公開日も迫る中、ノーラン祭り第2弾として、2017年公開作『ダンケルク』が、本日7月31日よりIMAX、4D、ドルビーシネマにてリバイバル上映されています。

 日本でもコアなファンが多いノーラン監督が初の実話に挑んだという本作は、第二次世界大戦の撤退戦「ダイナモ作戦」を描いたもの。ドイツ軍のフランス侵攻によりドーバー海峡に面するダンケルクという浜辺に追い詰められた約40万人の兵士を救うため、民間船を含めた多くの船が動員され、フランスからイギリスへと銃弾飛び交うドーバー海峡を渡るという決死の撤退作戦です。

 物語は、陸の1週間・海の1日・空の1時間という3視点を切り取り、それぞれが同時進行で進んでいきます。全く別の時間軸で起こるストレスフルなサスペンスが徐々に一つの時間軸にまとまっていく緊張感。まさしく“時の魔術師”の異名を取るノーラン監督の戦争映画と言えるでしょう。『メメント』や『インセプション』『インタステラー』などさまざまな作品で「時間の相対性」というテーマに強烈に固執してきたノーラン家督。そんな監督は他にいないのではないのでしょうか。

 本作は、ノーラン監督の他作品同様、実写におけるリアリズムを追求した作品です。撮影は、実際の撤退戦が行われたダンケルクで行われ、弾着の爆発で砂を吹き飛ばす際に、当時の不発弾を巻き込まないよう浜は徹底的な清掃が行われ、さらに当時の桟橋を再現するため大掛かりな工事が行われました。また、戦闘機や艦船も当時のものを撮影するなど、徹底的に実際の戦闘の迫力と恐怖を画面に映し込むこだわりがなされています。

関連記事