中村ゆりかの武器は“声”にあり 『ギルティ』『女子高生の無駄づかい』など漫画原作にハマる理由

 現在放送中の『ギルティ~この恋は罪ですか~』(読売テレビ・日本テレビ系、以下『ギルティ』)が第8話から最終章に突入し、物語もいよいよ佳境を迎えている。

 丘上あいの漫画『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~』を原作に、出版社での仕事と私生活に恵まれ幸せに暮らしていたヒロイン・荻野爽が、次々と発覚する周囲の裏切りによって苦境に陥る様を描いた本作。主演を務める新川優愛をはじめとし、『中学聖日記』(TBS系)で有村架純の婚約者役を好演した劇団EXILEの町田啓太や、『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)や『奪い愛、夏』(AbemaTV)での怪演が話題となった小池徹平など、豪華俳優陣による過激なラブサスペンスが展開されているが、中でも異彩を放っているのが女優・中村ゆりかだ。

 第1話にて爽を慕う飲み友達として登場した彼女だったが、早々に爽の旦那である一真(小池徹平)と不倫していることが発覚。人懐こい笑顔が途端に人生を狂わせる魔女の笑みに変わり、「さやかさぁん。そんなんだから、旦那さんが外に女つくるんですよ~」と開き直る姿は視聴者を凍りつかせた。しかし、あまりにもあっさりと瑠衣が旦那との不貞行為を認めたことで、この出来事は今後爽が巻き込まれていく裏切り劇の発端に過ぎない――そう思わせたが、実はすべての裏切りに関与していることが徐々に明らかとなる。

 幸せな家庭を壊すことに飽き足らず、一真を恨んでいる睦月(神尾楓珠)を遣い、敏腕編集者として活躍していた爽の会社での居場所をも奪った瑠衣。その正体は、爽にとって忘れがたい高校時代の元彼・秋山(町田啓太)の義妹。彼女の目的は一真を手に入れることではなく、母親の虐待で傷ついた心を救ってくれた秋山の愛情を一身に受けること、そしてそれを横取りした爽を貶めることだった。

 機能不全家族の下で育ちながらも、懸命に生き正論を貫く“正義”の爽と、人間を恨み、自分の目的のためなら手段を選ばない“悪”の瑠衣。もちろん物語は“正義”の側から描かれることが多く、本作も美しくまっすぐなヒロイン・爽の目線で描かれている。けれど、『ギルティ』は回を追うごとに、爽が立ち向かうサスペンスでありながら、悪役である瑠衣の哀しみを描いた人間ドラマにも見えるのだ。それは、彼女を演じている中村ゆりかの圧倒的な存在感に依るところが大きいのではないだろうか。

 2015年に放送された土屋太鳳主演のNHK連続テレビ小説『まれ』横浜編に出演し、知名度を上げた中村ゆりか。彼女の洗練された美しさは視聴者を虜にし、『週刊プレイボーイ』の“スゴカワ2017”企画では、映画『思い、思われ、ふり、ふられ』で主演を務める福本莉子らと共に注目の女優として紹介された。

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