令和の「倍返し」がいよいよスタート! 『半沢直樹』続編でも理不尽に立ち向かうテーマは健在

 先の見えないビジネスの隘路を切り開く緊張感と、息つく間もない怒涛の展開にノックアウトされる。7年の空白を一気に埋めるような知略と言葉の応酬。ためて、ためて、最後の最後に放たれる、あの決めゼリフ。「やられたらやり返す。倍返しだ」。『半沢直樹』(TBS系)が帰ってきた。

 『半沢直樹』待望の続編は、伊佐山泰二(市川猿之助)の独白で始まる。「組織に楯突いたらどうなるか思い知らせてやる」。前シーズン最終話で半沢直樹(堺雅人)によって不正融資を暴かれ、土下座の屈辱を味わった東京中央銀行元常務の大和田暁(香川照之)。その「愛弟子」が証券営業部長の伊佐山である。大和田の失脚によって、伊佐山の将来にも暗雲が垂れ込めていた。

 冒頭から不穏な空気に包まれる新章で、半沢の新たな肩書は東京セントラル証券の営業企画部長。前作で西大阪スチールの不良債権を回収し、老舗ホテルの経営を建て直した半沢が出向先で手がけるのは、企業買収だ。顧客はIT大手「電脳雑伎集団」で、買収先は同じくIT企業の「スパイラル」。独自の経営方針を打ち出すスパイラルには敵対的買収の方法が考えられたが、そこには想定外の事態が待ち受けていた。

 出世コースから外れた銀行員にとって「片道切符の島流し」とされる出向。セントラル証券は東京中央銀行の子会社であり、出向組が多く在籍する。半沢の出向に憤慨し、銀行に戻れないかと知恵を絞る渡真利忍(及川光博)や苅田光一(丸一太)は、同期入行の間柄だ。そんな2人に、半沢は「いちいち上に逆らっても仕方ない。もうそんな時代じゃないんだ」と気のない返事をよこす。一瞬、半沢が、現在の境遇を受け入れて諦めてしまったようにも思えた。

 一方、半沢の下で働くプロパー社員の森山雅弘(賀来賢人)は、親会社からの出向組が目障りで仕方ない。自分が獲って来た買収案件のプロジェクトチームから外されて、一度は怒りをあらわにするが、諦めの早い森山の姿にはプロパー社員の悲哀が漂う。出向組の上司とプロパーの部下は、電脳からの一方的なアドバイザリー打ち切りを知って奮い立つ。理不尽に立ち向かうという『半沢直樹』のテーマは健在だった。

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