『探偵・由利麟太郎』鈴木一真が2年ぶりドラマで“訳あり感” ゲストたちが横溝ワールドを彩る

『由利麟太郎』豪華ゲストが彩る横溝ワールド

 なお、本作内で田辺誠一との2ショットを見せたのは、大阪府警の浅原警部を演じた板尾創路だ。これまで京都を舞台に繰り広げられてきた本作だが、板尾の大阪弁が一気に今回の事件現場を大阪に固定してくれる。

 土屋の助手・雨宮順平を演じた水沢林太郎は実年齢17歳ながら、社会人役に初挑戦。台詞も多くはない中でも、しくじりがちな新人を見事に体現できていた。本人曰く、「社会人の心得」のような本を読んで、イケていない社会人を真似ようとネクタイの長さを長めにしてみたりと、形から入ることにしたそうだ。

 それぞれの登場人物が何かに苦悩し葛藤している姿に、本作で何の台詞も発せずして遺体姿になった高岡早紀扮するさくらが、いかに魅惑的で危険な色香を振りまいていたのかを印象づけ、さらに視聴者の想像を掻き立てることに見事成功している。由利(吉川晃司)は既に犯人の見当はついているようだが、次週が彼の名推理を見られる最終話となる。皆を虜にし、狂わせていくさくらの秘密も解き明かされそうである。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
『探偵・由利麟太郎』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
原作:横溝正史『由利麟太郎シリーズ』(角川文庫刊、柏書房刊)
出演:吉川晃司、志尊淳、木本武宏、どんぐり、田辺誠一
ゲスト出演:新川優愛、水上京香、村川絵梨、浅利陽介、高岡早紀、大鶴義丹、鈴木一真、吉谷彩子、佐野岳、板尾創路ほか
脚本:小林弘利
演出・プロデュース:木村弥寿彦(カンテレ)
プロデューサー:萩原崇(カンテレ)、森井敦(東映京都撮影所)、福島一貴(東映京都撮影所)
メインテーマ・エンディングテーマ:吉川晃司 
メインテーマ:「Brave Arrow」
エンディングテーマ:「焚き火」
発売元:ワーナーミュージック・ジャパン
音楽:ワンミュージック
制作協力:東映京都撮影所
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ

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