亀梨和也が本音を明らかに 『野ブタ。をプロデュース』が現代に問う“自分を偽ること”
信子(堀北真希)への恋心と彼女を人気者にするということとのジレンマに苦しみ、“プロデュース”をやめたいと言い出した彰(山下智久)。それを受けいれた修二(亀梨和也)は、かつてのように他のクラスメイトたちと過ごす生活に戻るのだが、どことない空虚さを覚えるようになる。『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)は5月23日に放送された第7話から、ガラリと物語のテイストが変容する。自分を偽る“仮面”を被ってきた、桐谷修二というキャラクターの内面が徐々にあらわになる、起承転結の“転”の部分にあたるエピソードだ。
修二という人物が、学校生活という極めて狭小で一時的なコミュニティの中で“人気者”であるがため、そしていわゆる“スクールカースト”の上位にそれとなく存在するためだけに自分を偽りながら巧く過ごしてきたが、信子と彰の存在によって変わっていく。それがこの『野ブタ。をプロデュース』という物語の中枢だということに、この第7話で立ち返ることができよう。たしかにこれまでのエピソードでも3人で過ごす時間によって修二の中にわずかながらの変化が生まれたわけだが、あくまでもそれは彰と信子が“仮面”を剥がすための手助けをしてくれていたに過ぎない。ここから先のエピソードでは、修二自身がその虚しさに気付き、自分の手で仮面を剥がしていくのだ。
その変化の第一段階とも言えるのは、このエピソードの終盤、休みの日の学校でまり子に自分の本音を語る、簡潔に言えばまり子を“振る”場面だ。家族とのやり取りや、彰や信子と過ごす時間の中では少しばかり素の表情を見せてきた修二ではあるが、その心の奥底に秘めた“本音”は常にモノローグによってしか語られてこなかった。それを初めてダイアローグとしてさらけ出す。そしてたがが外れたように、修二は夜の公園のシーンで信子に「人に嫌われるのって、怖いよな」と心の最も奥に隠してきた言葉を呟くのである。