『パラサイト 半地下の家族』IMAX&モノクロVer.劇場公開決定 ポン・ジュノ「不思議な感覚に」

 ポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』が、IMAXとモノクロVer.で劇場公開されることが決定。あわせて、新たに2種類のビジュアルとモノクロVer.の予告編が公開された。

『パラサイト 半地下の家族』IMAX
『パラサイト 半地下の家族』モノクロVer.

 『殺人の追憶』『オクジャ/okja』のポン・ジュノ監督が手がけた本作は、全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という相反する2つの家族の出会いから、想像を超える展開までを描いた社会派ドラマ。

 第92回アカデミー賞で外国語映画として初めての作品賞を受賞。さらに監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4冠に輝いた。日本国内の観客動員数は330万人を超え、興行収入も45.5億円を突破。韓国映画として国内興行収入1位の記録を塗り替えた。

 しがない内職で日々を繋ぐ貧しいキム一家。彼らは、窓を開ければ目の前に地面、日の光もほとんど入らず、水圧が低いために家の一番高い位置にトイレが鎮座する“半地下”の家での生活から抜け出せずにいる。そんな生活は、豪邸に住む裕福なパク社長一家との出会いで、果たしてどのように変化していくのか。

 IMAX上映では、映像をIMAX仕様にあわせるため、デジタルリマスターされたバージョンに。臨場感がより際立ち、映画の吸引力を濃厚に感じられる映像体験が劇場で楽しめる。

 また、モノクロVer.はオリジナルのカラーVer.がカンヌ国際映画祭でお披露目される以前に作られていたという。制作の理由についてポン・ジュノ監督は「黒澤明、ジャン・ルノワール、ジョン・フォード、アルフレッド・ヒッチコックなど偉大な監督たちのフィルモグラフィーには、モノクロ映画の時代とカラー映画の時代がありますが、私たちの世代はモノクロ映画を作る機会がありませんでした。自分もクラシックの仲間入りをしてみたいという夢を、最新のデジタル技術のおかげで実現することができました」と語っている。

 モノクロVer.をこれから観る観客に向けてポン・ジュノ監督は、「同じ映画がモノクロになることで、鑑賞体験がどれだけ変わるものか、面白く感じていただけると思います。私は今まで二度このバージョンを観ていますが、初めは寓話のように感じられ、まるで昔の物語を見ているかのような不思議な感覚になりました。二度目は、映画がより現実的で鋭く感じられ、まるで刃物で切りつけられるかのようでした。俳優たちの演技がさらに際立ち、より登場人物を中心に映画が展開しているようにも思えました。観客のみなさんが、カラー版の鑑賞体験と比較しご自身の『パラサイト』モノクロ版の鑑賞方法を見つけてくれたら嬉しいです」と、メッセージを送った。

『パラサイト 半地下の家族』モノクロVer 予告

 公開されたモノクロVer.の予告編では、貧しい一家の長男ギウ(チェ・ウシク)が、家庭教師としてIT企業を経営する裕福な社長一家と出会い、やがて娘ギジョン(パク・ソダム)らも自らを偽り、社長一家の元を訪れる様子がモノクロで描かれている。

 なお、公開日については、コロナウイルス禍の終息および劇場再開後に向けて調整中。決まり次第、発表される。

■公開情報
『パラサイト 半地下の家族』
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
監督:ポン・ジュノ
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チョン・ジェイル
提供:『パラサイト半地下の家族』フィルムパートナーズ
配給:ビターズ・エンド
2019年/韓国/132分/2.35:1/英題:Parasite/原題:Gisaengchung/PG-12
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公式サイト:www.parasite-mv.jp

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