『エール』中村蒼は“ずぐだれ”に戻った窪田正孝を救えるか? 堀田真由の“悪女の笑み”も

 『エール』第3週「いばらの道」では、裕一の挫折と川俣での新しい生活が描かれた。夢を諦め、落ち込んでいる裕一を川俣銀行の面々が救い、立ち上がったところを再び志津が奈落の底に落とす。怒涛の展開の中、中村蒼が演じた鉄男が唯一の希望のように思える。周りから甘やかされがちな裕一にとって、今後も貴重な存在となっていくだろう。

 毎回視聴者の感想を代弁してくれる“朝ドラ受け”の『あさイチ』(NHK総合)では、キャスターの博多大吉が「でもまあ、これでリセットじゃないですか」とまとめていた。そう、川俣での平和で楽しい生活によって大好きだった音楽の夢を忘れ、仕事にもイマイチ身が入らない裕一が原点に戻るためのリセットなのだ。その気持ちを慮ると少し可哀想だが、裕一を見守っている視聴者からすれば、これで良かったというような気がしてしまう。

 第4週「君はるか」では、裕一の未来の妻、音を演じる二階堂ふみが登場する。初恋に現を抜かしていた裕一とは対照的に、音は何も変わらない。予告では、御手洗清太郎先生(古川雄大)から声楽を教わる姿や、「私は男の後ろを歩くつもりはないから、それが私の信条よ!」と男性の胸ぐらを掴む姿が映し出された。

 そんな音と裕一が、ついに文通で繋がる。強い信条を持った音が裕一にどんな影響を与えるのか。川俣でくさっている裕一が立ち上がり、また音楽の夢を追いかける姿を見守りたい。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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