関連グッズが続々登場! 特撮・アメコミファンから愛される“東映版スパイダーマン”を解説
東映×マーベルの座組で、この作品がうまくいった理由は、やはりスパイダーマンという素材を選んだからでしょう。例えばキャプテン・アメリカやマイティ・ソー、ハルクではうまく日本版を作れなかったのではないかと。考えてみれば、このドラマに先立つ8年ほど前に、池上遼一版スパイダーマンが日本のコミックス誌に連載されています。そう、スパイダーマンとは非常に日本版が作りやすい=日本人に受け入れられやすいのです。
それはなぜか? ここで僕が思い出すのが、故・手塚治虫先生とスタン・リーの対談記事です。手塚先生は、アメコミヒーローの中でスパイダーマンが日本人に一番ウケると断言しているのです。その理由は、華奢だからです。スパイダーマンは決して筋肉隆々のアメリカのたくましいマッチョではない。あの線の細さ・小柄さが日本人の共感を呼ぶだろうと。これはかなり的を得てますよね。くわえて、ケヴィン・スミスという有名なアメコミクリエーターがこういうことを言っています。スパイダーマンはマスクで顔を全部隠している。だからどんな人種の子でもあのマスクの下に自分の顔があると共感することができるのだと。日本人が自分を投影しやすい体型とフルマスク。だからスパイダーマンは日本のヒーローにもなりえたのでしょうか?
繰り返しになりますが、2022年4月8日公開予定のアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』続編では、東映スパイダーマンとレオパルドンが登場。劇場での再会も楽しみですが、最近の実写版でスパイダーマンを演じているトム・ホランドは実写版『スパイダーマン:スパイダーバース』を作りたいとも言っている。実写版東映スパイダーマンとレオパルドンもぜひ実現してほしいですね。
■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter
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