『スカイウォーカーの夜明け』以降も続くSWの世界 新企画『プロジェクト・ルミナス』とは?

 『スター・ウォーズ』について語る前に、最初に僕のスタンスを申し上げますと『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は本当に素晴らしい映画でした。“思ったより悪くない”というレベルではなく心から楽しめたし、またエンディングにもジーンときました。正直言うとエピソード1から3の3部作より、今回の7から9の3部作の方が好きです。これは映画の出来うんぬんというより、やはり1から3は悲劇へとすべりおちていく話であり、7から9は希望に向かっていく。だからなのかもしれません。というわけで『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』とともに、『スター・ウォーズ』熱が再燃しています。そうなると、これからも“『スター・ウォーズ』が続くのか?”が気になりますが、その答えはYESです。

『マンダロリアン』(c)2019 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. (c)2019WireImage

 まずは日本でも配信が始まった『マンダロリアン』。これはディズニーが立ち上げた配信動画サービス、ディズニー・プラス(日本ではディズニー・デラックスで対応)用に作られた実写ドラマシリーズ。『スター・ウォーズ』シリーズに登場する人気キャラ、ボバ・フェットに着想を得たアクションものです。ボバ・フェットは銀河のすご腕の賞金稼ぎという設定で、そのかっこよさから多くのファンがいます。けれど映画ではあくまでサブキャラなので、あっさりと退場してしまう。そこでこのキャラに「同族」がいたという設定で、ボバ・フェットのルックスを引き継いだ主人公を作り、新たなストーリーを作り上げたわけです。『スター・ウォーズ』の主軸はスカイウォーカー家の物語なのですが、そこからはずれても面白いものが作れる、という可能性を示唆してくれました。動画配信サービスという新しいエンターテインメントの手法の中で、新たな『スター・ウォーズ』が生まれる、というのは興味深いです。

 一方それとは対照的に、出版と言う形で新たな『スター・ウォーズ』を起動させようというプロジェクトが始まります。それが『プロジェクト・ルミナス』であり『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』なのです。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(c)2020 & TM Lucasfilm Ltd.

 まずこの2つの単語を整理すると、2019年4月11日から15日の5日間にわたってアメリカのシカゴで『スター・ウォーズ』公式のコンベンション「スター・ウォーズ セレブレーション」が開催されました。ここで『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のタイトル発表と予告編がお披露目になったり、『マンダロリアン』がフィーチャーされたりと大きなニュースがあったわけです。そして最終日の15日朝、ルーカスフィルム(『スター・ウォーズ』の製作元ですね)の出版部門のプレゼンテーションがあり、そこで出版チーム主導で「プロジェクト・ルミナス」をスタートさせると発表がなされたのです。

 詳しいことはまた後で書きますが、このプレゼンテーションには5人の作家が参加しており、いずれも『スター・ウォーズ』の小説やコミックの作家として人気のある人たちで、彼らがコラボして“1つの大きな『スター・ウォーズ』ものを書く(描く)”というものでした。このプロジェクトは2018年から始まり、ルーカスフィルム肝いりの案件。ただ詳細はここでは明らかにならなかったのです。

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