『名探偵コナン 緋色の弾丸』赤井ファミリー集結で原作にも影響が? 想像を超えるドラマに期待

 しかも今回の脚本を務めるのは、シリーズ屈指の傑作(と筆者は信じてやまないのだが)『純黒の悪夢』や『ゼロの執行人』を手掛けた櫻井武晴となれば、否が応でも期待値は上がる。前者では赤井に加えて(赤井はそれ以前の『異次元の狙撃手』で大学院生の沖矢昴として登場しているが)、赤井と並ぶ人気を誇る公安警察の安室透を劇場版に初登場させると、後者でその安室の物語を深掘りして警察組織の闇に迫っていった。ということは、今回の『緋色の弾丸』は赤井が紐解かれる順番というわけだ。さらに『異次元の狙撃手』以来の劇場版登場となる世良真純、劇場版初登場となる羽田秀吉、そしてメアリー世良といった“赤井ファミリー”が集結するとなれば、これは想像を超えるドラマ性の高さも期待できるのではないだろうか。

 彼ら“赤井ファミリー”は原作の「ラム編」でも重要人物として描かれているだけに、おそらく劇場版で描かれる内容が原作の今後の展開に影響していくことは間違いない。いずれにしても、まずは当面の事態が収束して本作が無事に公開され、赤井が“100億の男”となることを願うばかりだ。ちょうどHuluで赤井の登場するテレビエピソードをまとめた特集が組まれており、近年の劇場版作品も続々配信されるとのことなので、念のためおさらいしておくというのも有意義な待ち方かもしれない。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『名探偵コナン 緋色の弾丸』
4月17日(金)全国公開
原作:青山剛昌『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:永岡智佳
脚本:櫻井武晴
音楽:大野克夫
主題歌:東京事変「永遠の不在証明」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、池田秀一ほか
配給:東宝
製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント 
(c)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
公式サイト:http://www.conan-movie.jp/

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