“勇者”は“魔王”佐藤健の恋人に昇格! 『恋はつづくよどこまでも』公私混同問題にどう対処する?

 「公私混同しているのは、先生のほうじゃないんですか?」。悔しさのあまり、そんな感情的な言葉を発してしまう七瀬。確かに、根岸の言動は公私混同と呼べるかもしれない。患者が自分の息子ではなかったら、主任として経験を積んでほしいと願いながら、七瀬にその任務を任せていたはずだ。しかし、それが患者の親となるとローキャリアの七瀬に任せるのは不安がよぎる。自分の大切な子どもの命を、新人ナースの経験の1つになんてしてほしくない、と。

 主任としての行動と、個人としての行動がズレてしまうこと。その判断が独りよがりになっていることに気づかないこと、それこそが公私混同するリスクだ。たしかに、七瀬は天堂への好意を職場に持ち込んでいるが、それゆえに患者に対する行動が変わることはない。もしかしたら根岸も、天堂にだけ本音をぶちまけるのではなく、もっと七瀬と向き合って、その率直な思いを小出しにし、公と私の感情を冷静に整理していれば、誰も傷つけずに済んだかもしれない。

 だが、それがなかなかできないのが人間だ。そもそも人は私的な感情を抜きに生きることは、無理なのだ。好きや、不安や、嫉妬、忘れられない記憶……様々な思いを抱えながら、目の前の任務に当たる。天堂のようにプライベートと切り分けられているように見える人が、実はバレンタインデーのチョココロネに七瀬の笑顔を思い浮かべているかもしれないのだ。

 人の心に線は引けない。仕事も、恋愛も、同じ人生の上にある。片方がうまくいくと、不思議ともう片方がよく回りだすこともあるように、日々のやるべきことと感情は連動している。どこか白黒つけがちな現代に、気持ちのいい“公私混同“を! そんなポジティブなパワーをもらえるのは、王道なラブコメならではではないだろうか。

 天堂が「俺の彼女」と公言し、いよいよ“勇者“から“恋人“へと昇格した七瀬が、さらなる強敵が出現する予感。大人の女性として、ナースとして、さらにレベルアップすることができるのか。そんな七瀬と接する中で、天堂はどう変化していくのか。ますます目が離せない。

■放送情報
火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、佐藤健、毎熊克哉、昴生(ミキ)、渡邊圭祐、吉川愛、堀田真由、香里奈、平岩紙、蓮佛美沙子、山本耕史
原作:円城寺マキ『恋はつづくよどこまでも』(小学館 プチコミックフラワーコミックスα刊)
脚本:金子ありさ
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:宮崎真佐子、松本明子
演出:田中健太
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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