『トップナイフ』永山絢斗&大西礼芳が渾身の演技 天才になりきれない西郡の必死の“歩み”

『トップナイフ』“凡人”永山絢斗の歩み

 “天才”の黒岩と“凡人”の西郡を最たる例として、時おり浮き彫りになる登場人物たちの対照的な性格。幸子(広瀬アリス)の場合は、家族を捨ててただ一途にトップナイフになることを目指してきた深山を鑑みながら、「わたしはそういうの嫌なんです」と軽やかに批判し、医師としての違う生き方を模索しようとする。そのための彼女の大きな挑戦が「恋愛」となっているようで、「恋愛解禁!」と宣言した彼女の心の成長も本作の見どころだろう。

 一方、突如子どもを預けられてしまった黒岩は、DNA鑑定の末にその子どもとの親子関係を認めざるを得なくなる。深い人間関係を結ばずに、天才脳外科医として人の頭を切ってきた黒岩自身のその心(脳)の内情も今後明るみになっていくのだろう。患者の病に親身に接しながら同時に医師たちの心にも迫っていく『トップナイフ』。天才も凡人もみな一様に人間であるという視点からの人間ドラマにもより一層深みが出てきたようだ。

■原航平
編集/ライター。1995年生まれ。映画、ドラマ、演劇などのカルチャーをむさぼり食らう日々。
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■放送情報
『トップナイフ ー天才脳外科医の条件ー』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:天海祐希、椎名桔平、広瀬アリス、永山絢斗、古川雄大、宮本茉由、三浦友和
原作:林宏司『トップナイフ』(河出文庫)
脚本:林宏司
音楽:横山克、鈴木真人
演出:大塚恭司
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:鈴木亜希乃、茂山佳則
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ

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