『おっさんずラブ-in the sky-』春田と成瀬の距離に変化が そして四宮は切ない想いをついに吐露する

 ますます混線を極めゆく愛の飛行経路。『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系)第3話では、主要5人の行動が交錯し、すれ違い、そしてついに各々の想いが吐露される。

 第2話の一件から春田(田中圭)との関係性が密になったかと思いきや、なかなか自分の感情を他人に透けさせず、まだまだ距離を置こうとする成瀬(千葉雄大)。またもや屋上で女性とイザコザを起こしている姿を見て心配する春田だったが、「あれは、俺の妹です」とだけ告げ、深く踏み入ることを許そうとしない。逃げようとするところを捕まえようとしても、するするっと逃げてしまうのが成瀬という男なのだ。その一方で四宮(戸次重幸)といるときの成瀬は、「なに(春田からの恋愛)相談に乗っちゃってるんですか? 好きなんですよね? あの人のこと」と感情を剥き出しにしているのも見逃せないシーン。

 春田と成瀬が再び急接近するのは、第3話の終盤、石垣フライトのあと。春田は、成瀬の妹からの電話により、父親が危篤状態であることを知ることになる。そう、成瀬は、父親の病状がよくないという悩みを抱えながらもそれを誰にも告げずにフライトに臨んでいたのだ。雨に打たれる成瀬の寄る辺なさに耐えかねた春田が、「なんかほっとけねぇんだよ!」と言って強く抱きしめる場面。成瀬から距離を置かれながらも踏み込み続け、今度は絶対に逃さないという春田の想いに満ちたシークエンスだったように思う。それがお人好しゆえの行動なのかLOVEゆえの行動なのかどうかはまだ知る由もない。

 他方、彼らが抱き合う姿を見てしまった四宮は、今まで押し殺していた感情が不意に漏れ出るように、「俺は春田が好きなんだ」と想いを吐露。それを聞くのが春田ではなく緋夏(佐津川愛美)であったという点も、また重層的に切ない。教室でピアノを弾く春田にそっと手を重ね、温かく目線を送る場面からも滲み出ていたが、この片想いの描写はあまりにもビターで胸苦しい。

関連記事