『スカーレット』切ない佐藤隆太の置き手紙 丁寧な心理描写が視聴者の心を掴む

『スカーレット』視聴者の心を掴む心理描写

 第4週「一人前になるまでは」でも、ほとんど会話がないシーンがあった。それが、空き巣にあい喜美子を頼りに大阪にやってきた常治(北村一輝)に、大久保(三林京子)が喜美子のやっていた内職のお金を支払う場面。ずっとあたふたしている喜美子と常治に、大久保がひたすら喋り、給金を渡して解決するというもの。野暮ったい説明はせず、受け止め方は視聴者に委ねている部分は、今回の草間のシーンと通ずる丁寧な制作姿勢が感じられる。

 第6週「自分で決めた道」では、喜美子が信楽に帰郷。桜庭ななみが演じる妹・直子が登場する。照子(大島優子)、信作(林遣都)との再会もありながら、喜美子は新たな道に進むことを決心する。そこには、荒木荘の人々との別れも。それぞれの強すぎる個性とキャスト陣の息のあったチームワークが人気な荒木荘だっただけに、SNSでは大きな反響を呼ぶ週になりそうだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『スカーレット』
NHK総合にて、2019年9月30日(月)〜2020年3月放送予定
出演:戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、桜庭ななみ、福田麻由子、佐藤隆太、大島優子、林遣都、財前直見、マギー
水野美紀、溝端淳平、木本武宏、羽野晶紀、三林京子、西川貴教、松下洸平、イッセー尾形 ほか
脚本:水橋文美江
制作統括:内田ゆき
プロデューサー:長谷知記、葛西勇也
演出:中島由貴、佐藤譲、鈴木航ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/scarlet/

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