『スカーレット』戸田恵梨香と溝端淳平の絶妙な掛け合い 朝ドラ法則的には初恋は実らず?
『スカーレット』(NHK総合)第4週「一人前になるまでは」では、喜美子(戸田恵梨香)が大阪に来て2年半が経ち、荒木荘の女中仕事を一人で任されるまでになる。
第3週の終わりで、ちや子(水野美紀)の働く新聞社から今の給料の5倍での引き抜きを持ちかけられた喜美子。しかし、女中の仕事を途中で放り出してしまう、自分が一番嫌いなことを選ぶのは嫌だと、誘いを断る。喜美子は女中として一人前になり、本当にやりたい道に進むことを志していた。
昭和30年、喜美子は18歳に。幼なじみの照子(大島優子)、信作(林遣都)は高校3年生になっていた。第4週で訪れるのは、恋の予感。照子は同じ高校の男子を待ち伏せするほどに恋に落ち、喜美子への手紙に「恋と愛の違いについてあなたは知っていますか?」と書いてしまうほど。同じ頃、信作も女子生徒からラブレターをもらうような甘い学生生活が訪れていた(とは言え、2人とも友達のいない、仲間外れなのは相変わらずだが)。
そして、荒木荘にも恋の予感が。医学生の圭介(溝端淳平)が、最近近くに引っ越してきた泉田あき子(佐津川愛美)に一目惚れをするのだ。恍惚とした表情を浮かべる圭介を目の当たりにしていた喜美子は、やがて彼の相談役となっていく。終戦の翌年、原因不明の高熱で6つ下の妹を亡くしている圭介にとって喜美子は、可愛い妹のような存在。喜美子が大久保(三林京子)の下で健気に働き始めた頃から、圭介は彼女を「可愛いな」と優しく接していた。
圭介は勉強一筋で恋愛には疎い。中学生の頃に恋の経験があると言い出す喜美子に、圭介は目を丸くして驚く。しかし、それは照子から“いけないこと”として迫られた木の下でのキス。恋愛を分かったフリをした喜美子が、妹として圭介の恋を応援する“脇役”を張り切る、といったチグハグな関係が見ていて何とも面白い。演じる戸田恵梨香と溝端淳平は、31歳と30歳で同世代。2人とも関西出身ということもあり、息もぴったりだ。