佐藤隆太の柔道が子どもたちの心を動かす 『スカーレット』それぞれが見つけた夢

『スカーレット』柔道が心を動かす

 連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)第9回では、草間(佐藤隆太)が東京へ戻る理由が語られた。

 喜美子(川島夕空)は柔道を習い始め、信作(中村謙心)、照子(横溝菜帆)たちと共に草間流柔道に励んでいた。第8回で草間は「僕が君たちに教えたいのは勝った負けたではありません」と話し、本当の逞しさ、本当の優しさ、本当に強い人間とはどういう人間か、人を敬うことの大切さを学んでほしいと伝えた。その言葉は、草間が子供たちに柔道を教える姿勢からも受け取れる。草間は子どもたち一人一人を優しく見つめ、うまくできない子には声をかけ、サポートしていた。

 草間の下で習う柔道は喜美子たちの心を動かした。照子は習っている三味線と踊りを「ほんまはもうやめたい」と話す。実は彼女の将来の夢は「婦人警官」。照子の将来の夢を聞いて、信作は思わずたじろいだが、彼女の笑顔は将来の夢ができて晴れやかだった。

 喜美子は、草間が東京へ戻ってしまうことを残念がる。草間は「人を探してるんだ」とはじめて喜美子に打ち合け、草間は4年前から行方の分からない妻を探していたという。そんな草間に喜美子は言った。

 「4年も経って、もう早よ見つけんかい! って言うて奥さん今頃カンカンやわ!」

 喜美子の言葉に、草間は目を見開いて驚いた後、ふっと笑みをこぼした。喜美子の純粋な感情が、心の栄養として草間の心に染み渡るのが伝わってくる。喜美子の言葉は、草間の一縷の望みに光を差すものだったに違いない。

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