『凪のお暇』インタビュー

『凪のお暇』中村倫也が考える、“やりたいこと”の叶え方 「初期衝動を新鮮な気持ちでキープする」

 主人公・凪(黒木華)が、空気を読み、周りに流されるがままに生きてきた人生をリセットし、様々な人との出会いから、自身の大事な気持ちに気づいていくドラマ『凪のお暇』(なぎのおいとま・TBS系にて金曜22時放送)。視聴者からは、回を重ねるごとに、登場人物たちが自分自身と向き合っていく姿を通して、各々が受け取り感じたことを綴った、思いの溢れたコメントが寄せられている。

 今回は、第9話で凪への真っ直ぐな想いを伝え、第1話から変身を遂げている安良城ゴン役の中村倫也に、これまで本作で描かれてきたテーマについて最終回を前に振り返ってもらい、本編とはまた違う目線から現代を生きる人々の悩みに答えてもらった。

「視聴者の方それぞれのゴンの受け取り方がある」


――原作漫画では、ゴンはロン毛で髭を生やしている。そんなキャラクター像から、どのように実写のゴンを作っていきましたか。

中村倫也(以下、中村):原作モノを映像化する時にいくつか挑み方があるとして、漫画のキャラクターの服装や髪型に似せられるなら似せたほうがいいと思っています。ただ、今回のゴンは、俺がそのままやっても似合わないだろうなと。『凪のお暇』というドラマ全体の流れに、中村倫也の素材と僕が大事にしたいと思ったゴンの要素を合わせて放り込んだ時に、僕が考え得る一番効果の出るビジュアルや口調を提案してこのようになりました。ゴンの要素を並べて、そこに僕を入れて、粘土をこねたらこうなったみたいな。

――ゴンさんが、打算なく、周囲の人たちをさらりと虜にしていく感じが……。

中村:上手い?(笑)。 ありがとうございます。

――かわいすぎず、あざといとも言えなくて、嫌みもない感じで。どういう風にされているんですか。

中村:内緒(笑)。

――えっ(笑)。自然体なんでしょうか?

中村:いや、見たり感じた情報をゴンのフィルター通して次のアクションをしていくと自ずとそうなるというか。今回、「こう見せよう」とすごく意識するようなことはあまりやっていないんです。それが、視聴者のみなさんの想像を膨らませられるゴンの余地になっているんじゃないのかなと思います。

 ゴンは、自分が思って行動しているものと全く違うように相手が感じたり、ミステリアスだという風に解釈される人間で、「メンヘラ製造機」なんて呼ばれていて。だから、視聴者の方が想像力を働かせて、それぞれのゴンの受け取り方があるんだと思います。

――中村さん自身の自然体に近いのかなとも感じたんですけど、そんなわけではない?

中村:いや、僕はもっとゴリゴリの体育会系の人間なので。暴力で生きてきました(笑)。

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