『凪のお暇』愛は毒にも薬にもなりうる ゴン(中村倫也)がメンヘラ製造機たる所以が明らかに

 「あいつとうまくやっていくには、用法用量守らなきゃダメ。依存したら終わりだよ?」

 金曜ドラマ『凪のお暇』(TBS系)第4話で改めて考えさせられたのは、“どの恋愛も、薬にも毒にもなる“ということだ。

 凪(黒木華)は、エリート営業マンの元カレ・慎二(高橋一生)に“スペックだけを見ていたのだ“と伝え、別れを告げる。そして、ありのままの自分を受け入れてくれる謎の隣人こと、イベントオーガナイザーのゴン(中村倫也)の部屋へ。

 ついこの前まで、ゴンに対して「この恋の歯車、回っちゃダメ」と言い聞かせていた凪。自分には手におえない相手だという予感は確かにあったのだ。「あいつ人との距離感おかしいから」と、ゴンの周囲にいる仲間からの警告もあった。だが、それでも一歩踏み出してみたくなったのだ。

 ゴンと一線を越えることで、どこか“今までの自分“という柵をも飛び越えられるような気がしたのだろう。空気を読みすぎて意思を貫けない自分が変わるのではないか、穏やかな気持ちで、おいしい空気を吸えるのでは、という期待が凪を駆り立てた。

 実際に、ゴンと肌を合わせる時間は甘く、心地いい。ほしい言葉をくれて、身体にも心にも優しく触れてくれる。そんな幸せいっぱいの中でも、拭いきれない違和感が。洗面台には多くの女性たちが出入りした証ともいえる、スキンケアグッズがずらりと並ぶ。

 快楽の極みまで連れて行ってくれたかと思えば、事が終わるとすぐに背を向けてしまうゴン。その視線の先にあるのは、凪の目ではなく、スマホ画面。2人だけの時間を過ごせているようで、常に外部とつながっているゴンに戸惑う凪。

 「私たちの関係って?」「付き合ってるってことでいいんですよね?」「彼氏彼女ってことで?」……ゴンに聞きたいのに聞けない言葉たち。だが、この野暮ったい質問をすれば、この居心地のいい空間が、とろけるような笑顔が目の前から消えてしまうかもしれないと思うと怖くて動けないのだ。

 「好き」だと言ってくれた。合鍵もくれた。会えば“ギューッ“としてくれる……言葉で聞けない不安を、事実で埋めようとしていく凪。それは結果的に、見たいゴンの姿しか、聞きたい言葉しか受け入れなくなるということだ。

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